いにしへのをのへの鐘ににたるかな岸うつ浪の暁の声
皇太后宮大夫俊成
暁いたりて浪の声(こゑ)、金(こがね)の岸に寄するほど
新古今和歌集 巻第二十 釈教歌 1968
「それは、むかし人の世にある時にきいた尾上の鐘の音に似ている。暁に浄土できく、七宝の池の黄金の岸をうつ波の声は。」『新日本古典文学大系 11』p.573
長秋詠藻[藤原俊成の家集]釈教。
暁いたりて 「暁イタリテ浪ノ音、金ノ岸ニ寄スルホド、アケナムトスレバ風ノ音、珠ノ簾ヲスグルアヒダ、後夜ノ時分キタリテハ、仏法僧ヲ念ズベシ」(極楽六時讃「後夜(ごや)讃」)。
岸うつ浪 極楽浄土には七宝の池があり、岸は黄金で、寄せる波の声は常に、仏法僧を讃える(観無量寿経)。
藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)1114-1204)定家の父。
詞花集初出。千載集撰者、千載入集三十六首。『六百番歌合』判者。
新古今入集七十二首。勅撰入集四百二十二首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では在原行平と番えられている。
小倉百人一首 83 「世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる」
http://bit.ly/WBaPKp
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