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2016年12月25日05:07

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月さゆるみたらし河にかげ見えてこほりにすれる山藍の袖 皇太后宮大夫俊成

月さゆるみたらし河にかげ見えてこほりにすれる山藍の袖
 皇太后宮大夫俊成
 文治六年女御入内屏風に、臨時祭かける所をよみ侍りける
 新古今和歌集 巻第十九 神祇歌 1889

「月光がさえて澄んでいる御手洗川に、舞人の姿があざやかに映り、まるで冷たい氷の上に山藍の袖を摺りつけたかのよう。」『新日本古典文学大系 11』p.550

文治六年(1190)正月女御入内御屏風和歌。
女御 後鳥羽天皇女御藤原任子(のちの宜秋門院。兼実の息女、良経の妹)。
臨時祭 賀茂臨時祭。十一月下の酉の日に行われた。
みたらし河 賀茂神社境内を流れる御手洗川。
かげ 「月」の縁語。
こほり 「さゆる」の縁語。月光の譬喩とも。季節は冬で、実際の氷。
山藍 トウダイグサ科の常緑草本。葉茎からとる藍色の染料で染めた衣は青摺りともいい、節会などに着る小忌衣[おみごろも]として用いた。
慈鎮和尚自歌合判詞で、俊成は、「「氷にすれる」といへる、心ばかり少し面影おほく侍る」と自賛した。
賀茂社関係の詠。

藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)1114-1204)定家の父。
詞花集初出。千載集撰者、千載入集三十六首。『六百番歌合』判者。
新古今入集七十二首。勅撰入集四百二十二首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では在原行平と番えられている。
小倉百人一首 83 「世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる」
http://bit.ly/WBaPKp
http://bit.ly/165RuQ6

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