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2016年12月17日05:22

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柳澤健「1984年のUWF 13 シューティング」『スポーツグラフィックナンバー』 904 2016年6月30日号 文藝春秋 2016年6月16日発売

昨日読んだ雑誌記事。
柳澤健「1984年のUWF 13 シューティング」『Sports graphic number(スポーツグラフィックナンバー)』904 2016年6月30日号 文藝春秋 2016年6月16日発売。

http://bookmeter.com/cmt/60993766
https://www.amazon.co.jp/dp/B01GEPPQB2

p.112-115の柳澤健「1984年のUWF 13 シューティング 観客が泣き、藤原が泣いた。感情の沸点を越えて進むUWFの中で、佐山は "理想" を抱え続けた。」だけ読みました。

32年前に後楽園ホールで観ていたリング上の選手の動きの記憶が懐かしいです。
1955年生まれの私は29歳でした。

連載第1回「北海道の少年」の中井祐樹再登場。
「UWFはリアルファイト。中学生がそう判断する材料は、全部揃っていたんです」(中井祐樹)」p.112

「1984年10月5日後楽園ホール[ストロング・ウィークス開幕戦]のメインイベント木戸修&藤原喜明vs.前田日明&スーパー・タイガーの試合で観客たちの心に最も深く刻みつけられたのはスーパー・タイガーのほんのわずかな動きだった。

「そのとき、リングの中には木戸修と佐山(スーパー・タイガー)がいた。器用な木戸修は、助走をつけずにその場でドロップキックをすることができる。いつものように木戸がドロップキックをやったところ、佐山はスウェイバックしてスッとよけた。

その瞬間、ものすごい大歓声が起こった。誰もが当然のように受けていたプロレス技が、じつはその気になれば簡単によけられることを、目に見える形で示してくれたからです」(作家の亀和田武)

そういえば「無限大記念日」のときにも、前田にロープに振られた佐山は腕をロープに絡ませて、戻ってくることがなかった。

佐山聡はプロレスラーであるにもかかわらず、自分たちと同様に、プロレスへの根本的な懐疑を持っている。観客たちはそのことを知って感動したのだ。」p.114

「天才・佐山聡にカール・ゴッチが懐かしむ古き良き時代のプロレスへの郷愁はない。タイガーマスクという過去の栄光への執着もない。さらに言えばUWFという団体への思い入れもない。佐山の関心は、自らが創始しようとするリアルファイトの新格闘技にあった。このことが、やがて周囲との軋轢を生むことになる。

1984年秋ごろから、佐山は自らの新格闘技を "シューティング" と呼び始める。シュートとはレスラーが使う隠語で、リアルファイトを意味する。

佐山の興味はリアルファイトのシューティングにこそあり、ショーでありエンターテインメントであるプロレスにはなかった。しかし、シューティングという競技はまだ存在しない。当然ながら選手もひとりもいない。シューティングのルールと技術体系を作り上げるために、プロレス団体UWFを利用しない手はない。

こうして、UWFというプロレス団体を、将来はシューティングという総合格闘技団体に変えてしまおうとする佐山聡の壮大な試みが本格的にスタートする。

UWFはプロレスの範疇を一歩も出るものではなく、スーパー・タイガーもまた、ショーレスラー以外のものではない。しかし、それは見たことのないプロレスだった。

1981年には "四次元殺法のタイガーマスク" という世界プロレス史に永遠に残るキャラクターを作りだした天才は、わずか3年後の1984年には、現在でいう "MMAファイター" という新たなるキャラクターを身に纏っていた。ただし、総合格闘技もMMA[Mixed Martial Arts]も、まだ世界のどこにも存在しない。」p.114-115

「古き良き時代のプロレスに回帰しようとするUWFのレスラーの中にあって、佐山聡はただひとり未来の総合格闘技を構想し、その実現に向かって歩を進めていた。

佐山聡の理解者はただひとり、社長の浦田昇しかいなかった。しかし、唯一の味方は突然逮捕されてしまう。1984年10月19日のことだ。佐山は大きなショックを受けた。(以下次号)」p.115

「誰よりも選手を愛し、守ってきた浦田社長の逮捕劇。その理由と、隠された真実とは……」
p.115 写真キャプション

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