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2016年12月16日05:02

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やはらぐる光にあまるかげなれや五十鈴河原(いすずがはら)の秋の夜の月 前大僧正慈円

やはらぐる光にあまるかげなれや五十鈴河原(いすずがはら)の秋の夜の月
 前大僧正慈円
 神祇歌とてよみ侍りける
 新古今和歌集 巻第十九 神祇歌 1880

「大日如来が、わが国には天照大神となって現われたわけだが、その和らげられた光の余光ででもあろうか、五十鈴河原をあまりに明るく照らす秋の夜の月は。」『新日本古典文学大系 11』p.548

拾玉集[慈円の家集]十題百首 天象「月」、建久二年(1191)閏十二月。玄玉集[建久二年 (1191) 頃に成った私撰歌集で撰者未詳]神祇、五句「有明の月」。
やはらぐる光 「和光同塵」(老子)。和光垂迹。神仏習合思想の表現。[本地垂迹 仏が日本の神として現れること。]天照大神の本地は、大日如来とされた(真言付法簒要集ほか)。
かげ 「光」「月」の縁語。
五十鈴河原 御裳濯川。伊勢内宮(ないくう=皇大神宮)の象徴。
伊勢大神宮関係の詠。

慈円(じえん 1155-1225)平安時代末期から鎌倉時代初期の天台宗の僧。藤原兼実の弟。
千載集初出。新古今入集九十二首(西行に次ぐ第二位)。勅撰入集二百六十九首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では僧正遍昭と番えられている。
小倉百人一首 95 「おほけなくうき世の民におほふかなわが立つ杣に墨染の袖」
http://bit.ly/WUEMmA
http://bit.ly/15WrmqA

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