鏡にもかげみたらしの水の面(おも)にうつるばかりの心とを知れ
これ又、賀茂に詣(まう)でたる人の夢に見えけるといへり
新古今和歌集 巻第十九 神祇歌 1862
「わたしの影が、鏡にも、清らかに澄んだ御手洗川の水面にも映っているのを見たであろう。それほど、わたしが、そなたの願いを成就させる心でいることを知れ。」『新日本古典文学大系 11』p.543
かげ 神の姿。「鏡」の縁語。
みたらし 上賀茂神社の御手洗川。「見」を掛ける。
うつる 「鏡」の縁語。神の姿が神鏡や御手洗川に映って見えるのは、祈願成就のしるし。
参考「いさぎよき御手洗川の底ふかく心をくみて神は知らなむ」(大弐高遠集)。
賀茂神社の神詠。
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