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2016年11月26日05:28

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思ふこと身にあまるまでなる滝のしばしよどむをなに恨むらん

思ふこと身にあまるまでなる滝のしばしよどむをなに恨むらん
 この歌は、身の沈める事を歎きて、東(あづま)の方(かた)へまからんと思ひ立ちける人、熊野の御前(おまへ)に通夜して侍りける夢に見えけるとぞ
 新古今和歌集 巻第十九 神祇歌 1860

「そなたの願うことは、これから身に過ぎるほどに成就するのに、音をたてて落ちる滝がしばらく淀むように、ほんのしばらくの間望みが滞っているのを、どうして恨んでいるのかね。」『新日本古典文学大系 11』p.543

なる滝 紀伊国熊野の名所とされる(八雲御抄五[やくもみしょう 順徳天皇 1197-1242 による歌論書])。「成る」と「鳴る」とを掛ける。
よどむ 出世が停滞しているのを、水の流れが滞ることにたとえる。「滝」の縁語。
身の沈める事 その身が沈淪していること。
通夜 参詣して夜通し祈願する。
「なる滝」から鳴神(賀茂別雷命[かもわけいかづちのみこと 上賀茂神社の祭神])の神詠へ。

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