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2016年11月24日05:15

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人しれずいまやいまやとちはやぶる神さぶるまで君をこそまて

人しれずいまやいまやとちはやぶる神さぶるまで君をこそまて
 この歌は、待賢門院の堀河、山とのかたより熊野へ詣(まう)でて侍りけるに、春日へまゐるべきよしの夢を見たりけれど、後(のち)にまゐらんと思ひて、まかり過ぎにけるを、帰(かへ)り侍りけるに、託宣し給ひけるとなん
 新古今和歌集 巻第十九 神祇歌 1858

「わたしは心ひそかに、今来るか今来るかと思い続けて、年老いた神らしい姿になるまで、あなたが参詣するのを待ったのだよ。」『新日本古典文学大系 11』p.542

続詞花集[藤原清輔による私撰集。『詞花集』に継ぐ第七勅撰集となるところを、下命者である二条天皇(1143−1165)の崩御に遭い実現しなかった] 神祇「…あやしの下衆女に、春日のつかせ給ひて仰せられける」。
ちはやぶる 「神」の枕詞。
神さぶる 久しい時が過ぎたことを表わす。
山と 大和。熊野詣でには紀州路と伊勢路とがあった。
高名な歌人堀河の参詣を春日明神が求めた神詠。
堀河の返歌は「三笠山さしもあらじと思ひしを天下りぬる今日こそは知れ」(続詞花集)。

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