むつましと君は白浪(しらなみ)みづかきの久しき世よりいはひそめてき
伊勢物語に、住吉に行幸の時、御神(おほんかみ)げ行(ぎやう)し給ひてとしるせり
新古今和歌集 巻第十九 神祇歌 1857
「御門とわたしとが親しい間柄とは、御門はご存知ないでしょうが、久しい昔から、わたしは皇室を祝ってきたのです。」『新日本古典文学大系 11』p.542
伊勢物語一一七段。
袋草紙[ふくろぞうし 平安時代後期の歌学書。藤原清輔著]上、二句「君は知らずや」。
白浪 「知らず」を掛ける。
みづかき 瑞垣。神社の垣。端は美称。「水」を掛けて、上の「白浪」を受ける。「みづかきの」は「久しき」の序。「久しきことには、みづかき、松の葉…」(和歌初学抄[平安時代後期の歌人藤原清輔 1104-1177 による歌学書])。
伊勢物語 この歌の前に「昔、御門、住吉に行幸し給ひけり。われ見ても久しくなりぬ住吉の岸の姫松いく世へぬらん」(古今 雑上 読人しらず)。御神、現形し給ひて」。
げ行 現形。神が姿を現わすこと。
住吉明神の神詠。
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