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2016年11月17日17:13

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イングリッド・バーグマン〜愛に生きた女優〜@Jack & Betty

ワタシのような年代のものにとってバーグマンの映画をリアルタイムで観たのは
もう彼女の晩年の頃です(67歳という若さで亡くなっている…誕生日が命日)
最初が「サボテンの花(1970年)」、そして「オリエント急行殺人事件(1975年)」、
(ワタシにとって)最後の作品「秋のソナタ(1978年)、いずれも美貌のハリウッド
銀幕のスターとしてではなく、中高年の役ですが逆に演技力の光る作品群でした

「カサブランカ」も、「誰が為に鐘は鳴る」も、その後にTV放映やDVDで観ました
この順番(まず演技を楽しむ作品から)で正解のような気もします
本日横浜黄金町のミニシアターで観た標題の彼女のドキュメンタリー映画は、
昨年生誕100年に制作されたものです

彼女は思い出の品々を、写真ばかりでなくホーム・ムーヴィーや日記・書簡、
子供の頃のパスポートに至るまで几帳面に取っておいたようで、それらを基に
して生前のインタヴューや遺児たちの証言を交えてこの作品はできています

夫や子供がありながら映画監督ロッセリーニとの不倫で子供まで生し、それ故に
ハリウッドを追われ、恋多き女優として知られていますが、それほどには奔放な
印象は(今作を観る限り)ありませんでした

それは彼女自身が早くに両親を亡くしたためか、自分に素直に生きても子供の
ことは大事にしていたからで、この作品も最初の夫との子と二度目の夫との子
4人が中心となって製作されています

「あなたは自分のしたことで後悔したことはありませんか」
という問いに対し
「自分がしなかったことで後悔していることはあります」
と答えることで、彼女は自身の人生に悔いはなかったことを誇っています

彼女の出演作品のいくつかのカットが画面に登場しましたが、秋のソナタの
無言のシーン(顔の表情だけの演技!)に深く印象付けられました
この場面の撮影では監督のベルイマンと激しく意見を闘わせたとのこと
結局は監督の意見が通ったようですが、バーグマンの演技は、勝者が
彼女であったことを立証しているように思えます

原題は”Jag är Ingrid”で、スウェーデン語の意味するところが分かりませんが
映画の中で出てくる文章の主語と思われる言に”Jag"が使われているところを
見ると、”är”はbe動詞で、「私はイングリッド」というようなことかと思われます

まさしく、自分は自分自身であることを貫き通した女優がそこにありました
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