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2016年10月29日05:06

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S.J.ローザン『どこよりも冷たいところ (創元推理文庫)』 直良和美訳 東京創元社 2002年6月刊

2009年6月に読んだミステリ。
S.J.ローザン『どこよりも冷たいところ (創元推理文庫)』 直良和美訳 カバー 朝倉めぐみ 東京創元社 2002年6月刊。2009年6月15日読了。

http://bookmeter.com/cmt/3095437
http://bookmeter.com/b/4488153054
https://www.amazon.co.jp/dp/4488153054

「マンハッタンの建設現場で工具が頻繁に消え、さらにはクレーンの操作係が失踪する。疑わしい班長の素行調査を請け負った私立探偵ビル・スミスは、レンガ工として覆面捜査を開始したが、すぐに工員が瀕死の重傷を負う。ピアノを愛する中年の白人探偵と相棒のリディアが、こみいった事件の最深部に見たものとは? アンソニー賞最優秀長編賞に輝く、期待の現代私立探偵小説第四弾。」

「S・J・ローザン
アメリカの作家。1950年生まれ。様々な職業を経て、90年頃から書き始めたミステリで、ふたりの私立探偵、中国系女性のリディア・チンと白人男性のビル・スミスを生み出し、94年に発表した『チャイナタウン』を第一作とする長編や多くの中短編で活躍させている。『ピアノ・ソナタ』『天を映す早瀬』でシェイマス賞、『どこよりも冷たいところ』でアンソニー賞、『冬そして夜』でMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長編賞を、「ペテン師ディランシー」でMWA最優秀短編賞を受賞するなど、現代を代表する私立探偵小説の書き手として高く評価されている。」

S. J. Rozan
http://sjrozan.net/

ウィキペディア https://goo.gl/M4Ivsk
https://en.wikipedia.org/wiki/S._J._Rozan

現代私立探偵小説の旗手 S・J・ローザンの長編を読む
http://www.tsogen.co.jp/wadai/0401_01.html

S. J. Rozan (1950- )
No Colder Place (1997)

1997年に発表されたニュ−ヨークの私立探偵リディア・チン&ビル・スミス・シリーズの第4作。

前月読んだ第3作の『新生の街』ではリディアが語り手だったので、本書は第2作『ピアノ・ソナタ』と同様にビルが語り手です。ヴェトナム料理店の描写が美味しそうです。

「リディアとはチャイナタウンにある、ともに気に入りのヴェトナム料理店、フォー・ヴェト・ホァンで会う約束になっていた。私の住処はチャイナタウンからさほど離れていない。15分たらずで着いた。

店内は禁煙だが、涙の出るほど辛い真っ赤なソースに浸けて食べるエビ入り揚げせんべいや、軽くて酸味のある、よく冷えたヴェトナム製ビールを出してくれる。魚醤(ニョクマム)やコリアンダーのつんとする匂い。……

ウェイターが注文を取りにきた。話し合わず、ろくにメニューも見ないで、ふたりで分けて食べるためにわたしが注文したのは、エビをサトウキビに載せてグリルしたものと、レモングラスとコリアンダーのスープ、リディアのほうからはチキンの玉ねぎと唐辛子炒め。どれもお互いに好きだと承知している料理だ。……

ウェイターがスープを運んできた。コリアンダーの葉とレモングラスの茎が浮いた黄色い透明なスープにスプーンを沈めると、牛肉の細片と麺が渦を巻き、ぴりっとする香りが湯気とともに厚手の白い椀からたちのぼった。」p.100
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