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2016年10月29日05:01

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思ひ出でてもしも尋ぬる人もあらばありとないひそ定めなき世に 大僧正行尊

思ひ出でてもしも尋ぬる人もあらばありとないひそ定めなき世に
 大僧正行尊
 歎く事侍りけるころ、大峰に籠るとて、同行(どうぎゃう)どももかたへは京へ帰りねなど申(まうし)て、よみ侍りける
 新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1833

「私を思い出して安否を尋ねる人などがもしもあれば、健在だとはいわないでくれ。無常の世なのだから。」『新日本古典文学大系 11』p.533

行尊大僧正集、三句「人あらば」。
大峰 北は金峰山(きんぷせん)、南は熊野に続く山地で、修験道の霊場。
同行どももかたへは京へ帰りね 仲間の修行者たちも一部は都へ帰りなさい。僅かな同行とともに決死の行に挑もうとするのである。
「世を厭ふ」に寄せる雑歌。

行尊(ぎょうそん 1055-1135)平安時代後期の天台宗の僧・歌人。
金葉集初出。勅撰入集四十九首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では藤原道信と番えられている。
小倉百人一首 66 「もろともにあはれと思へ山ざくら花よりほかにしる人もなし」
http://bit.ly/SCgPlC
http://bit.ly/1jhuOah

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