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2016年10月22日05:13

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川本三郎 『そして、人生はつづく』 平凡社 2013年1月刊。

昨日拾い読みした本。
川本三郎『そして、人生はつづく』平凡社 2013年1月刊。

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『東京人』2010年7月号〜2012年11月号連載「東京つれづれ日記」を中心にしたエッセイ38篇を拾い読み。

巻末p.268-276の、「山口昌男先生[1931.8.20-2013.3.10]の試験は「縄文時代の日記」」(『文藝春秋』2012年10月号)と「丸谷才一[1925.8.27-2012.10.13] 徹底した雅びの人」(『東京人』2012年12月号)のみ熟読。

著者は1944年7月15日東京都渋谷区代々木生まれ。私が毎日のように映画を観ていた学生の頃(1973-77)、『キネマ旬報』で川本三郎さんの文章を読み始めた時には、彼はまだ三十歳ぐらいだったんだなぁ。

「1988年に『マイ・バック・ページ[ある60年代の物語]』[河出書房新社 『SWITCH』1986-87連載]を出したとき、書評(『週刊文春』)で真っ先に誉めてくださったのは丸谷さんだった。

「どう見ても愚行と失敗の記録であつて、それゆゑ文学的だ」と。

事件[赤衛軍朝霞自衛官殺害事件犯人と交際、証憑湮滅容疑で埼玉県草加警察署に逮捕され、朝日新聞社を懲戒解雇]のときと同じようにまた袋叩きになるのではないかと怖れていたので、この評は本当に有難かった。

何かの席でお会いしたとき、御礼を申し上げると、「僕は『笹まくら』の著者だよ」と言われたのが心に残った。のち『笹まくら』が新潮文庫に入ったとき、解説を書かせていただくことになった。」
p.276 「丸谷才一 徹底した雅びの人」

「夜の散歩をすることもある。
これは和田誠さんに教わった。シェイプアップには夕食後、一時間ほど歩くのがいいという。実際、五年ほど前、始めてみたら65キロあった体重が60キロ台にまで落ちた。以後だいたい60キロ前後を保っている。」
p.234 「ひとり遊びぞわれはまされる」(『文藝春秋SPECIAL』2010年冬号)
題名は、良寛「世の中にまじらぬとにはあらねどもひとり遊びぞわれはまされる」。

「平松洋子さんの食のエッセイを愛読している。新著『なつかしいひと』(新潮社)を読んでいて
 … 
「秋ともなれば、酒肴には焙ったお揚げが欠かせない。裏表をこんがり焙り、さくっと切って生姜醤油を添える。香ばしい熱々をもったいながっていただくと、そこいらの燗酒もたちまち美酒に化ける」

油揚げ好きとしては、すぐに自分でも作りたくなる。」
p.173 「昭和の隅田川に惹かれた二人の芸術家。」(『東京人』2012年5月号)

「小坂俊史の漫画『中央モノローグ線』(竹書房 2009年)はほのぼのとした味があって面白い。四コマ漫画。中野から武蔵境まで中央線の八つの町に住む八人の女の子を主人公にしている。
 … 
八つの町が八人の女性によって語られてゆく。中央線のマチモノガタリ。中央線の町はどこも似たように見えるが、彼女たちによって語られる「わが町」はそれぞれ微妙に違っている。小さいながら独特の個性がある。
 … 
中央線の町のそれぞれの特色を実にうまくとらえている。しかも男性の漫画家が女性の視点で!

八人の女の子たちの多くが流行に流されることなく、普通、平凡という地に足が着いた生き方をしているのが好ましい。」
p.9 「王子飛鳥山から中央線沿線まで。」(『東京人』2010年7月号)

小坂俊史『中央モノローグ線 (バンブー・コミックス)』竹書房 2009.10
http://bookmeter.com/b/4812471710
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