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2016年10月21日04:28

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『海神の子』第1話

 いつもの私の話とはパラレル設定です。カノンがポセイドンに女体化させられて孕まされる話です。
 暗くて救いのないオチになります。なので次のポセカノ話は口直しにコメディ路線で行きます。
 ジュリアン(ポセイドン)とカノンの話は、『倫敦三重奏』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3351082『鮫人の涙 土中の碧』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3390376『ボスポラスの夕べ』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3390443『森の奥で死者たちは泣く』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4114832を参照。
 双子たちのオリジナル少年時代設定については『雪解け』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3484101を参照。
 海界の都市ポセイドニアについては『ポセイドニア・コモーディア』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3455689『ハルモニアの首飾り』http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3513947を参照。

『海神の子』第1話

 聖戦後、冥界の崩壊によって世界のことわりが乱され、地上の各地にも混乱が起こった。それを収拾するため、ハーデスとアテナは講和を結び、互いの闘士を復活させてそれぞれの世界の修復を行うことになった。ポセイドンとアテナの間にも不可侵の誓いが成され、統治者不在によって混乱した海界を治めるために、双子座の黄金聖闘士の片割れでもあるカノンが海将軍筆頭・海龍として海界に戻り、事態を収拾することになった。
 海皇ポセイドンの依り代たるジュリアン・ソロは、海闘士のことも聖戦のことも記憶にないまま、ギリシャでソロ財閥の当主として生きている。カノンはひょんなことから彼のことも覚えていないジュリアンに再会し、ジュリアンの身辺に起こるトラブルに巻き込まれてはそれを解決し…という次第でジュリアンとの交流を深め、時おり、ソロ邸に顔を出しては彼の様子を伺うようになっていた。カノンにしても、ポセイドンの件で利用した形になったジュリアンを気遣う気持ちがあった。
 そのカノンは海界の中心都市ポセイドニアで政務に終われる日々を送っていたのだが、初秋のある日、彼の脳裏に海皇ポセイドンの呼び声が響いた。そして彼はポセイドンによってギリシャのソロ邸に呼び出されたのだった。
「シードラゴンのカノン、お呼びにより参上しました」
 地上で奇異に見えぬようにスーツ姿をしたカノンは、ジュリアンの体に降臨したポセイドンの前にひざまずいた。
 ジュリアンの私室で椅子に腰を下ろしていたポセイドンは、片膝をついてひざまずくカノンを見て笑みを浮かべた。
「…シードラゴン、私はずっと考えていたのだ」
 海皇が笑みを浮かべたまま楽しそうに語る。
「私を欺き、利用して地上と海の支配権を握ろうなどと大それたことを企み、あげくに海底神殿を崩壊させてくれたお前の大罪に、どのような罰を与えたら良いのか、とな」
「……」
 カノンは黙って頭を垂れていた。
 ポセイドンの怒りは当然だった。むしろ今までカノンを罰せず、海界の統治を委ねていたことのほうが不思議であった。どのような罰であれ、受ける覚悟はあった。死をもって償え、ということ以外には。なぜなら、カノンの命は、我が主と心に決めた女神アテナに捧げられているのだから。
 カノンの心中を知ってか知らずか、ポセイドンはにやりと片頬を歪めた。
「そして私はついに思い付いたのだ。お前にふさわしい罰をな」
 海皇が、パチン、と指を鳴らした。
 その瞬間、カノンは全身に違和感を感じた。視線が少し、低くなったような気がする。体にぴったりと合わせて仕立てられたスーツも、妙にぶかぶかになった。膝を折って曲げられた足に、胸の肉が柔らかく当たった。
『…え?』
 カノンが自分の胸を見る。そこには、二つの膨らみが出来ていた。肉と脂肪の塊が両胸から隆起している。
「……!」
 驚愕し、カノンは立ちあがった。ポセイドンの前であることも忘れ、慌てて自分の体を撫でさすってみる。小柄になり、筋肉も落ちたその体は、女性のものになっていた。
「な、な、な…」
 突如として自分の身に起きた変化に愕然としてうろたえていると、再びポセイドンが指を鳴らした。その途端、カノンの全身が脱力して、彼は床に崩れ落ちた。
「ポ、ポセイドン様…なにを…」
 ポセイドンは椅子から立ちあがり、倒れたカノンに手をかざした。すると念動力でカノンの体が浮いた。海神が手を払うと、カノンの体は寝台の上に投げ出されるようにして移動し、落下した。
「ポ…ポセイドン様…」
 全身を脱力させて寝台の上に横たわるカノンを、ポセイドンが上からのぞき込む。
「なにを…なさるおつもりで…?」
「お前には私の子を産んでもらう」
 ポセイドンの答えに、カノンは息を呑んだ。
「ジュリアンの息子にして我が息子、ソロ家の次の当主、私の新たな依代となる血筋を、お前の腹から誕生させよう」
「そ、そ、そんな…」
 ポセイドンの手がカノンの頬に触れた。カノンはびくりと身をすくませた。
「…ああ、そうだ。もう一人…いずれ私に代わって海界を治めるべき、お前の後継者も産ませるとするか。そう、双子の男子が良いな」
 海皇は淡々と話す。カノンはこれから自分の身に怒ることを予想し、恐怖に震えた。相変わらず力の入らないカノンの体に手をかけ、ポセイドンは衣服を脱がしていく。
「い、いやです…おやめください!お許しを…!」
「神の子を授かるのは誉れぞ。お前の罪がこのような形で贖われること、むしろ光栄に思うが良い」
 ジャケット、シャツ、スラックス、下着…ポセイドンはカノンが身に着けていた衣服を、一枚、一枚、自らの手でボタンを外し、はぎ取っていった。裸体にされたカノンは、脱力して抵抗もできぬまま、寝台の上でがたがたと震えた。
 ポセイドンが女体となったカノンの体を優しい手つきで撫でる。裸身となったカノンの女体は、象牙を名工が彫刻したかのような理想美で形作られていた。しみやほくろの一切ない白く滑らかな肌。寝台の上に広がる豊かな銀青の髪。伸びやかで丸みのある手足。適度に脂肪が付いて柔らかな腹部。細く曲線的にくびれた腰。形良く天を向いて突きあがった両の乳房には、赤い蕾が色鮮やかについている。
「…美しいな、シードラゴン。人間ながら、我が妃アンフィトリテにも劣らぬ美しさよ」
 自分自身で作った作品を愛でるかのように、海皇が満足そうに笑んだ。
「ポ、ポセイドン様…どうか…」
「ふふ…その怯えた顔。お前がそのような顔をするとはな。実に楽しい。私が与える罰は正しかったようだ」
 水色の瞳に恐怖の色を浮かべたカノンの顔からは血の気が引いていた。だがその有り様は逆にポセイドンの征服欲をあおるだけだった。
「どうか…どうか、お許しを!お願い…!」
 がしっとポセイドンがカノンのあごをつかんだ。強引に口づけ、あごを開かせ、舌を差し入れる。口内を蹂躙するポセイドンの舌を、カノンは抵抗も排除もできずに受け入れるしかなかった。
「ん…んん…っ!」
 カノンは瞳をぎゅっとつぶった。目じりには涙がにじむ。
 ポセイドンの小宇宙が、肌を通してカノンの中に入りこんできた。
 その途端、脳裏に潮騒が聞こえた。海の香りがした。波がひたひたとカノンの中に浸透し、押し寄せる。カノンは全身を海に抱かれ、荒波に揉まれ、翻弄された。
「あ、な、なに…?」
 身の内に感じた不思議な感覚にカノンが戸惑う。裸で海の中に飛び込み、全身を浸しているような感覚になった。肌を波が撫でる。海がカノンの中に侵入してくる。カノンの体内が水でかき乱され、揺り動かされる。すでに体を交える前から、触れ合っただけでカノンの肉体はポセイドンの力と小宇宙に犯されていた。
「ふふ…神と交わるということがどういうことか…、その身で堪能するとよい、シードラゴン」
 自らも衣服を脱いだポセイドンは、カノンの体を愛撫した。恐怖と嫌悪で一杯のカノンの心に反して、彼の体のほうは海皇の愛撫に反応した。触れられるたびに体の奥が熱くなり、快感で肌が震える。ポセイドンはカノンの豊かな乳房を両手で揉みしだいた。
「良い手触りだ。極上の絹のようだな」
 胸の谷間にポセイドンが顔を埋め、柔らかなふくらみを揉みしだき、皮膚に強く口づける。カノンの白い肌に点々と赤い跡が残った。触られていると、カノンの体に不思議な感覚が生まれた。体奥が熱くなる。男だった時にはなかった個所が疼く。股の間にじっとりと濡れた感覚が沸き起こる。
「ああ…やぁ…」
 それが女としての快感だと気付き、カノンは嫌悪した。望みもしない愛の行為で、快楽に流されたくなどなかった。それなのに、体は心を裏切った。
 ポセイドンが胸の蕾を口に含み、ちゅっと吸った。
「あ…っ!」
 切なそうな喘ぎ声がカノンの唇から漏れた。体の奥が、足の間が熱く疼き、カノンは焦れるかのように足をもじもじとさせた。乳房を揉まれ、吸われているうちに、カノンの乳嘴がつんと膨らみ、勃ち上がった。隆起した蕾を、ポセイドンは丹念に指と舌でいじった。
「ああ…ポセイドン様…、お許しを…」
 カノンの息は上がり、熱を帯びた吐息が唇からは漏れた。それでも彼は必死にポセイドンを、彼によって与えられる快楽を拒もうと言葉を紡いだ。
「心地よくはないか、シードラゴン」
 脇腹を手で優しく愛撫し、柔らかな腹部を軽く噛みながらポセイドンが尋ねる。
「ポセイドン様、どうか…」
「どうせ拒めぬのだ。お前も楽しむが良い」

(以下はR-18なので割愛)

「…これでお前は私の子を身籠る」
 行為を終えたポセイドンは優しくカノンを抱き締めた。先ほど己の種を蒔いた白く柔らかな腹を外から撫でながら、愛おしそうに語りかける。カノンは絶望の涙を流しながら海神の言葉を聞いていた。
「神が望めば、一度の交わりでも実を結ばせることが可能なのだ。神が望めば、なせぬことはない。シードラゴンよ、お前は月満ちれば双子を産むであろう。一人はソロ家の後継者に、そしてもう一人はお前の後継者に…。お前の胎内で、我が息子たちを大切に育むのだ。よいな」
 情熱的にカノンの腹部を愛撫して力を注ぎこむポセイドンに対し、カノンは足の間から彼の精と己の愛液と赤い破瓜の血をこぼしながら、ただ黙って泣いていた。

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