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2016年09月21日15:34

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MET LV アンコール上映 マノン(par J.Massenet)

と言うわけで、4本チョイスの最後はマスネのマノンであります
マスネさんは最近でこそヴェルテルを立て続けに聴いたりして、ちょっとした
マイブーム(というほどでもないけど)ですが、それまではタイスの瞑想曲
(学生王子のセレナードに似ている)くらいしか知りませんでした

事前学習はYouTubeで見つけたドゥセイとビリャゾンのバルセロナ・リセウ劇場
のものと、これが字幕がチェコ語(!)でさっぱりわからなかったので、ネトレプコ
とアラーニャのヴィーン・シュターツオパーのもの(これは字幕ドイツ語)で
こういう時に頼りになる「オペラ対訳プロジェクト」のウェブサイトには、フランス
物のせいか、マノンの邦訳は未だありません
なお、あらすじを見るため参照したWikiでは、第一幕でレスコーをマノンの従兄
としているのに、第二幕では兄と表記しており、プッチーニ版と混同が見られます
(Mon cousinと呼ばれているので従兄が正しい)
こういうところがWikiの信用度の低い原因なのですね(でも参照しちゃうけど)

本日、日本語字幕付きで拝観して、細部がようやく腑に落ちました
前述2本は、昨今の斬新な演出のせいもあるけれど、なぜこの作品がオペラ・
コミックなのか謎でした
日本語で読んでみると、なーんだ、他愛のないことを言ってるのね
これではリセウもヴィーンも、斬新な演出に走ることが、わからないではない
しかしMETはアメリカ人向けですから、アメリカ人でもわかるというのが売りです

今回のペリーの演出は、冒頭の場面からしてミュージカルというかオペレッタ
のノリで、ギヨー/ブレティニー/3人の情婦の踊りの様な演技と、咥えたばこで
出てきた前掛け姿の宿屋(兼レストラン)の主人のキャラで、これだったらチェコ
語の字幕でもオペラ・コミックと納得できたであろう

音楽の方は、なにしろ立て続けに3回観て(聴いて)いるので、結構耳になじんで
いるため、気楽に聴けました

こうして見ると、どうしてもプッチーニとの比較をしてしまうわけですが、ネット・
サーフィンしていたら、マスネ版の方がいいという女性がいてビックリ
どう考えたって、このマスネのマノンは女のおバカな面が強調されて、最後に
悲惨な目に逢うのも当然という運びなんですけど、それがいいという女性は
マスネ版のマノンに嫉妬して(見てくれの良さで男をたらしこんで、なにさ)
哀れな末路に「ざま見ろ」と思っているのではないかしら
げに女の敵は女なのでありますな

プッチーニ版のマノンについては過去のワタシの日記に書きましたので
敢えてここでもう一度コメントしません

マノンは「ファム・ファタル」といいますが、マスネ版でもプッチーニ版でも
運命を狂わされたのはマノン一人(男はせいぜい金を遣って振られた程度)
因果応報の物語なのでありました

そんな女でもいとおしく思える、というのが原作者アベ・プレヴォの意図で
そういう意味ではマスネもプッチーニもオトコ目線で描いていますな

ネトレプコはこのMETの公演がマノンを演じられる限界でしょう
(それでも佐藤しのぶ+柳原可奈子でした)
その他のキャストでは東条さんも認める通り、レスコー役のP.ショット
(METのウェブ・サイトではジョットになっていましたが、案内役のヴォイトは
ショットと発音してました)が、ミュージカルも務める芸達者振りを発揮
道化と伊達男、ちょっとしたワルも演じられる得難いバリトンです

終演(終映)は14時半でしたので、函館ラーメン「船見坂」を再訪
こんな時間でも適度に店は混雑していましたので、店名の由来は聞けず
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