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2016年09月18日07:40

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チバニアン国際標準模式地になるか


千葉県にある地層が、地質学上の年代を分ける世界的な基準地「国際標準模式地」の有力候補に挙がっているといいます。国際学会に認められると、77万〜78万年前から13万年前までの期間が、ラテン語で「チバニアン(千葉時代)」と命名されることになり、来年にも初めて日本の地名がついた時代が誕生することになります。

国際標準模式地は、地球46億年の歴史を時代ごとに比較して研究する際の指標となる地点です。時代の変わり目がよく分かる代表的な地層があります。115区分に分かれる地質時代の場合、世界66か所の地層が基準地に選ばれていますが、国内はゼロです。

時代を区分する指標は、地磁気の逆転だけでなく、多くの生物種が絶滅して新しい生物種が登場する歴史の節目を使う場合もあります。代表例は、恐竜絶滅があった中生代と新生代の境界などです。地球には大きな磁石のような性質(地磁気)があり、現在はコンパス(方位磁石)のN極が常に北を向く「正磁極」と呼ばれる状態になっています。

しかし、46億年に及ぶ地球の歴史では、地磁気が逆転し、コンパスのN極が常に南を向く「逆磁極」という状態だった時もあります。これまでの研究で、こうした逆転現象が平均で100万年に数回起きていることが分かっており、直近での逆転は77万〜78万年前だったらしいのです。

千葉県市原市の養老渓谷沿いの地層「千葉セクション」は、この直近の逆転現象が記録された貴重な地点なのです。地層には、磁石の性質を備えた鉱物を調べると地層が生じた時期が正磁極か、逆磁極かなど、地磁気の移り変わりが分かるのです。千葉セクションには、77万年前頃の地層にあたる白っぽい火山灰の層が斜めに走っています。

国立極地研究所と茨城大、千葉県環境研究センターなどのグループが火山灰周辺の地質を詳細に調べた結果、その火山灰層より下の古い地層は逆磁極の時代のものでした。逆に新しい部分には、正磁極と逆磁極が混在する中間層があり、さらにその上には現在と同じ正磁極の地層が堆積し、時代の変遷をくっきりと示しているといいます。

以前から学術界で逆磁極と正磁極の両方の地層があることが知られていた千葉セクションが、注目を浴びるようになったのは2009年でした。「直近の逆転」を第四紀更新世の前期と中期を分ける「境目」の基準にすることを、専門家でつくる国際地質科学連合の委員会が決定したからです。

第四紀更新世は、地質による年代の呼称で、258万年前から現在までを「第四紀」、その中でも約1万年前までを「更新世」と呼びます。「紀」は年代区分の一つで、恐竜が活躍した「白亜紀」「ジュラ紀」などがあります。チバニアンの命名が期待される期間は、更新世の中期にあたります。

時代の境界である地磁気逆転は、これまで約78万年前とされてきましたが、極地研などによる最新の調査の結果、約77万年前に修正される可能性があるといいます。読売新聞 2016年5月22日付朝刊を参照しています。

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