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2016年08月19日23:33

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ヒーローではないとうそぶくヒーロー。でもヒーロー誕生のお話し 『デッドプール』

全身真っ赤なタイトスーツのヒーローは、
なにかにつけ自分を「ヒーローではない」と語る。
でも危険承知で愛した女の救出に向い、同様の境遇の死者の無念に立ち上る。
ゆえ本作はまちがいなくヒーロー、デッドプール誕生の物語だ。

原作が持つテイストの再現に、レーティングはR15に――。*1
グロ・ゴア描写を充実させたことはまず成功している。
ポンポン飛ぶ腕と頭。そんなの序の口。
デップーは「自分の腕」を「切り取り」拘束から脱出する。

デップーを更生し、X-MENに所属させるために、
なにかと世話を焼くコロッサス。
コロッサスとデップーの関係を10代の視点で見る、
ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドもキャラクターがたっている。

ただ、やたらと持ち上げられる本作に、
よくあるアメコミの“ハデ”さを求めた場合、失敗する。
もちろん最終局面の空母の対決は十分期待へと応える。

だが熱線が飛び、竜巻が舞う、よくあるハデさはない。*2
また、いわゆるアメリカン・コメディへと笑えるかどうか?
見ている人のノリが一番重要だ。

それでも終始メチャクチャ、ふざけた態度で物事へ挑む、
だが正義の心を持つデップー。
いってみればツンデレヒーローの活躍は新鮮だ。

……で、デップーって「ウルヴァリン」に登場した本人と一緒?
いやそれは別の世界線の話だ。 *3 現在の世界線のデップーは別人。
この過去改変が『X-MEN:アポカリプス』へと影響する。*4


※1 『デッドプール』の映画化はマーベルがディズニーの傘下(パートナーシップ)になって権利や問題が複雑化していた。権利の複雑化はマーベルが90年代にキャラクターの使用権を分売したのが原因だ。たとえばX-MENに登場するクイック・シルバーと、『アベンジャーズ』に登場しているクイック・シルバーは同一のキャラクターだ。ところがクイック・シルバーが「ミュータント」であるか/ないかで、一方はディズニー映画に登場でき、一方は20世紀フォックス映画に登場できない(20世紀フォックスは「ミュータントの登場人物」の権利を所有している)。本作に話を戻す。本作の場合、『デッドプール』をディズニーラインの全年齢版で制作するのか? そとれも原作テイストをいかし年齢制限をもうけるかだ。結果、制作は後者を選択した。

※2 デップーの獲物(武器)はパンチやキックの格闘技術、刀や銃の武器ですしね。

※3 『X-MEN:フューチャー&パスト』でウルヴァリンが過去に戻り、結果、過去改変が発生した。ミスティークが(A)悪に堕しマグニートーにつくか? (B)善の魂を抱きプロフェッサーXに協力するのか? で、別々のタイムラインが発生したのだ。『デッドプール』は(B)の世界線上の物語だ。

※4 『X-MEN:アポカリプス』の感想へどうぞ。
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