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2016年08月19日23:33

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小娘を差し置き悪女を演じ切るベテラン女優の自由 『スノーホワイト/氷の王国』

前作で悪の女王ラヴェンナ(シャーリーズ・セロン)は、
スノーホワイト(クリステン・スチュワート)より美しく、
「世界で一番うつくしいのはだあれ」の台詞はウソぶいて聞こえた。*1

今回もそうだ。
彼女は氷の女王フレイヤ(エミリー・ブラント)を、
完全にくってしまう。

前作でラヴェンナを倒し、平和を取り戻す王国。
だがスノーホワイトは鏡の魔力で引き籠り、狂気の淵を泳ぐ。
この時点で彼女は映画から消える。
“現実”で前作の監督と寝たビッチ白雪姫。*2 イメージの問題だ。*3

ゆえ本作は、ハンツマン(クリス・ヘムズワース)が過去に結婚し、
悲劇の別離をはたし、その相手がじつは生きていた、の設定を持ち出す。
この別離の元凶がフレイヤ。2人は彼女の王国侵略へ立ち向う。

ファンタジー映画としてはいたって普通のデキ。
方々ですばらしいヴィジュアルや設定――氷の女王が作り出す氷結の描写。
皮膚が黒いゴブリンが、金製の装飾をまとい、弱点の火矢に、
青い炎を吹き出して燃える――は目を引く。

ただ物語は予定調和だ。フレイヤが愛を取り戻す展開は予想できてしまう。
「エミリー・ブラントのイメージのために」ではないだろうが、
善の魂を取り戻す彼女にひどいことはさせられない。

その窮屈な彼女に反し、極悪非道のラヴェンナは悪女全開。
ベテラン、シャーリーズ・セロンは自由に物語の敵を演じ、結果、印象をうばう。
ヒロインよりサブヒロインに人気が出る作品。そんなやつだ。*4


※1 だってあきらかにシャーリーズ・セロンのほうが綺麗なんですもん。

※2 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%88。 この不倫の謝罪騒動は米国と英国で大変話題になった。ただ、クリステン・スチュワートの演技の幅は広く、話題と実力ともに注目される女優なのはたしかだ。

※3 だってディズニーですもん。

※4 ただ、これには一言あるにはある。そもそも大抵の物語で正統なヒロインは万人うけのために、あるいは、物語のために窮屈な存在だ。一方、サブヒロインは作家が自由に、ある意味では欲望のままに嗜好と無茶をつめこめる。
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