相模原の事件は衝撃的でした。
誰もが犯人を非難します。
もちろんそうでしょう。
でも、この事件にはもっと奥深い問題が含まれています。
知ってかしらずか、誰も触れません。
表面化した事象、残忍な殺人、にだけスポットが当てられています。
「くちづけ」という映画があります。
知的障害の娘を父親が殺す話です。
父親は何故愛する娘を殺したのか。
父親は余命短いガンでした。
父と娘の2人家族。
自分が死んだ後の娘の行く末を憂えての事件でした。
今回、事件が起きた施設にいた障害者は重度の人たちでした。
親ですら面倒を見切れないような。
「保護者と絶縁状態にあることも珍しくない」と犯人は手紙に書いています。
障害者の老後、誰が考えているでしょう。
両親も先だち1人残された障害者のこと、どれだけの人が思いを馳せているでしょう。
犯人のしたことはもちろん許されないことです。
犯人は身障者の行く末を不憫と考えたと自供しています。
犯人にとっては殺すのではなく、「殺してあげる」という感覚だったのでしょう。
もちろん、そんなことを肯定はしません。
でも障害者が歳を取り亡くなるまでの人生について、今の社会は余りに無頓着です。
犯行の残忍さだけを語るのではなく、障害者が負う人生についてメディアはもっと語るべきだと思います。
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