いま見ても新しい『悟空の大冒険』

娘が、リフォームの際にみつけた『悟空の大冒険』を気に入ってＤＶＤーＢＯＸを買ってしまった。
「出崎以外も全部良い。彦根範夫や月岡貞夫の名前もある。宇野誠一郎の音楽が長猫してる！」とお気に入りの様子。
「寮で“古いアニメを見る同好会”でも作ったら？」と勧めたら、「みんな“古い”ていうだけで見ない・・・」とのこと。
公務員はマニアが多いと思っていたが、違うのか？


○『悟空の大冒険』（1967）−−−総監督：杉井ギサブロー。演出：出崎統ほか。脚本：菅野昭彦ほか。音楽：宇野誠一郎。全39回。
内容は説明するまでもなく西遊記がベースの、当時としては大変新しかったスラップスティックギャグ・アニメ。
今見てもぶっ飛んでいる。
悟空・右手和子。竜子・増山江威子。三蔵法師・野沢那智。沙悟浄・愛川欽也。猪八戒・滝口順平。
みな上手い。那智ちゃんの坊さんが最高だが、他のメンバーも素晴らしい。増山江威子はこの竜子役でファンになった。
私が好きな回は出崎演出の「ぼくはコブコブよ！」だ。話は何もないが、今見ても凄いテンポ。

娘が、「こんなすごいアニメを子供の頃に見てたなんて、お母さんは幸せすぎる！」と羨ましがっている。
しかし当時はデッキなど世の中には無く、毎週その時間に必ずＴＶの前に座っていなければならなかった。しかもＤＶＤなど二度売り三度売りの時代ではなかったので、凄い集中力で一回きりの放映に全てを賭けた。
それよりも何よりも、うちは当時三世帯同居の７人家族だったので、彼らを押しのけてチャンネル権の争奪戦にまず勝利しなければならなかった。

娘よ、幸せ者はオマエだよ。
ＤＶＤ−ＢＯＸで素晴らしい作品を何度でも繰り返し見ることが出来るのだから。
私は悟空もルパンも、全て一週間じっと我慢して待ったんだよ？　一度だけ見るために。