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2016年07月04日20:28

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日韓の半跏思惟像の対面とバングラデシュ

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7/2土曜は東京出張でした。
仕事は午後からだったので、
午前中に1時間あまりの自由時間をつくり
上野の東博で催されている
日韓国交正常化50周年記念の
特別展「ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像―」
を見てきました。

この特別展には2つの仏像だです。

わが国からは、
国宝 半跏思惟像
(飛鳥時代・7世紀 奈良・中宮寺蔵)

韓国からは、
韓国国宝78号半跏思惟像
(三国時代・6世紀 韓国国立中央博物館蔵)

これらがつくられて1400年の時を経て
やっと対面できた!という印象を抱くように
二体が向かい合うように展示されています。
たった3週間の展示なので、
はやい時間だったにも関わらず盛況でした。

私は奈良斑鳩の法隆寺のそばにある
中宮寺の半跏思惟像が大好きです。
はじめて見たのは高2の時で、
以後4〜5回会いに行ったことがありますが、
今回は15年ぶりぐらいでしょうか。

やわらかくミステリアスな微笑みが魅力的です。
レオナルドが描いたモナリザや聖アンナの表情を思い出します。
仏像というより、私は美術品のように感じます。

中宮寺では後方から見ることができませんが、
この展覧会では360度みることができます。
伏し目がちで、口元に微笑を浮かべています。
背面から見ても、しなやかで美しいです。
遠目でみると黒光りしていますが、
接近してディテールを見ると、かつて彩色されていたことや
複数のパーツが組み合わさってできていることなど
いろいろ確認できました。

左足を踏み下げ、右足をその膝の上に組んで坐ることを半跏、
そして右手を頬に添えて思案することを思惟と言うそうです。
だから半跏思惟像という名前なんですね。

仏教の母国インドにはじまり、
中国、朝鮮半島、日本へと伝わったことは歴史で学びましたが、
こうして日韓の半跏思惟像の表情が似ている事実をみると
大陸からいろいろ学んできたことに感じ入ります。

2つの半跏思惟j像を比較してみた所感が次の通り。

韓国の半跏思惟像は銅製。
宝冠や衣紋の表現が精緻、
表情もクールで若々しい印象。

日本の半跏思惟像は木製。
全体的に柔和でたおやか。
やや中性的または植物的な大人の色気がある。
大きさは日本のものの方が大きい。

たった2つの仏像しか展示されませんが、
最高のものが展示されているので
満足感がありました。

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偶然なのですが、東博の本館2階で、
特別公開「新発見!天正遣欧少年使節 伊東マンショの肖像」
が展示されていました。
2年前にイタリアで発見されたそうです。
日本史で天正遣欧少年使節というのは聞いたことがあります。
油彩で描かれたイケメン風の肖像でした。

半跏思惟像をみて、インドで生まれた仏教が
中国、朝鮮半島という長い旅を経て日本へ伝わったことを実感すると同じように、
4人の日本の少年がローマ法皇に謁見するために
8年の長い旅をしたことに感じ入りました。

「旅」という言葉は、なんとも人を感傷的にします。

7/1にバングラデシュで起きた人質テロ事件。
邦人7人が殺害されるといういたましい事件が起きました。
私、2004年、バングラデシュを旅したことを思い出していました。
事件の現場近くにも行ったし…。
1週間ほどでしたが、とても有意義な旅ができました。
とても親日的で人ばかりで楽しかったですが、
やはり貧富の差はこのころからありました。
両国の関係が冷えることは
テロに屈することになります。

私がバングラデシュへ行きたかった理由は、
尊敬する建築家ルイス・カーンが設計した
国会議事堂と病院がみたかったからです。
建設費、資材、労働力が限られている中で、
イスラム教とモダニズムを見事に止揚させた建築を
カーンは作り上げました。
私はこの成果を
イスラムにおけるモダニズム建築の旅のはじめだと思っています。
ジャン・ヌーベルやザハ・ハディットの作品にカーンの影響が
色濃く出ていると考えています。

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