５月の大型連休では、オタっていました。
前から見たいと思っていた映画をレンタルDVDで集中的にみていました。
その中で３本の料理の映画の雑感を記します。
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』（2014年アメリカ）
『大統領の料理人』（2012年フランス）
『スタンリーのお弁当箱』（2011年インド）
一般的によい映画に必要なものとされている要素に
刺激的な設定、読めない展開、意外な結末、といものは
比較的、娯楽映画に当てはまるものだと思います。
上の３つの映画はシネコンで上映されるようなものではありませんが、
現在進行形であっても過去と連動しながら
時間の使い方に工夫がみられた作品に仕上がっていました。
�￣撚茵悒轡Д� 三ツ星フードトラック始めました』
ロスの一流レストランのシェフであったがカールは斬新な料理が得意。
しかし伝統的な料理を好むオーナーと仲があまりよくない。
そして料理評論家とツィッター上で大げんかし炎上する。
そしてとうとうお店も解雇されてしまう。
次に仕事もなかなか見つからない。
離婚した妻に引き取られた息子にも上手に愛情表現ができない。
夏休み、元妻と息子と一緒にアイマミの元妻の父を訪ねる。
あるキッカケでボロボロのフードトラックを改修して
キューバサンドイッチの販売を旧友とともにはじめる。そして大当たり。
マイアミからロスまで息子と旧友とシェフの３人がフードトラックで旅をしながら帰る。
そしてかつて対立したて料理評論家の出資で自分のお店を持つ。
この映画はロードムービー的なものなので、時間は自然に流れていきます。
映画の中で、ツィッターの威力がよく表れているのが特徴。
ツイッター上での映画評論家と味をめぐっての大げんかをはじめ、
旅における息子のツィートがよい営業効果になって、行く先々で集客効果。
息子が撮りためた短い動画を編集した投稿をみたシェフは、息子との思い出に涙。
このシーンは「ニュー・シネマ・パラダイス」のラストを私は想起しました。
現在進行性が高い映画にあって、唯一の時間を遡及するシーンでした。
この動画は予告編です。
https://www.youtube.com/watch?v=pJxEMXN80sA
�◆愨臈�領の料理人』
この映画はフランス大統領官邸（エリゼ宮殿）史上初の女性料理人として
1980年代に2年間、当時のミッテラン仏大統領に仕えた女性シェフの話しです。
フランスの片田舎で小さなレストランを営んでいた彼女は、
ある日突然、ミッテラン大統領の専属料理人に抜擢される。
大統領官邸史上初の女性料理人として
周囲の男たちの嫉妬や専横に遭いながらも奮闘。
素朴な家庭料理をこよなく愛する大統領から厚い信頼を得るようになる。
しかし、大統領の健康管理や経費削減により
自由に料理を作れなくなった彼女は心身ともに疲れ果て専属料理人を2年で辞職する。
その後、彼女は南極のフランス観測基地で料理人となり、1年間の任期を無事に終え、
念願の夢をかなえるために旅立つ。
この映画の特徴は、２つの時間（エリーゼ宮と南極観測基地）が錯綜しながら
女性シェフの感情の揺れに寄り添いながら編集されていることです。
こういう作り方がたいへんに上手だと思いました。
大統領のために厳選された食材をさがす姿と、
南極という地で限られた食材で料理する姿はほとんど同じ。
立場や境遇はちがっても料理への情熱は変わらないということですね。
主演の女性シェフを演じるカトリーヌ・フロは美人とは言えませんが
なんとも言えない魅力を発していました。
昔みた『女はみんな生きている』、『譜めくりの女』も好演していました。
西川恵著『エリーゼ宮の食卓』を読んだ時、
故ミッテラン大統領が健啖家であることを知り、
その食への執着心に驚いたことがあります。
映画に出てくる数々のフランス家庭料理が本当に美味しそうだった。
映画に出てきた台詞もいろいろ示唆的でしたね。
“あのモンテスキューも、過度な食事制限は、厄介な病気である。”
“ルイ１４世が自分を我々と言ったのは、王は「民を含む国家そのもの」と考えていたから”
“人生のトウガラシ”
これは予告編の動画です。（南極観測基地のシーンはほとんど出てない）
https://www.youtube.com/watch?v=GQdYgriw-n8
��『スタンリーのお弁当箱』
この映画は家庭の事情で小学校にお弁当を持参できない少年をのドラマ。
娯楽性が高いボリウッド映画が多い中でこの映画はおがやかです。
映画スターが出演せず、シナリオを用意せず、
演技経験のない子どもたちだけを集めてつくられた作品だそうです。
ムンバイのカトリック系小学校４年生のスタンリーは
家庭の事情で弁当を持ってくることができない。
昼食の時、クラスメートに隠れて水道水で空腹を紛らわせていた。
見かねたクラスメートたちは自分たちの弁当を少しずつ彼に分けてあげようとする。
しかし中年の国語教師に横取りされてしまう。
その後、スタンリーと子どもたちの葛藤が描かれます。
天敵の教師に立ち向かっているスタンリーら子どもたちが微笑ましく、
彼らを応援したい気持ちで見てしまいました。
そして、なぜスタンリーが弁当を持ってこれないのかという秘密が
終わりの10分ぐらいで明らかになるという編集になっています。
ラストに秘密が明らかになるというのは
時間の使い方としてはインパクトが強いですよね。
『スティング』のラストシーンはビックリポンとはちょっと傾向が違っていますけど。
ちなみにこの映画はワークショップとして製作された作品だそうです。
子供たちは最後まで映画撮影と知らず、
また子供たちにカメラの存在を気付かれないようにすること撮影された異色作品。
たしかに自然な表情を引き出されていました。
私、インドへ３回ほど単身で外遊したことがありますが、
映画に出てくるインド料理や人々の表情が懐かしかったです。
https://www.youtube.com/watch?v=8uTAMdfUVik
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