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2015年12月20日11:53

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直前告知「碍子の兵法」世界初演12/23

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100年前のシベリア出兵は近代になって日本が経験した数少ない集団的自衛権発動の戦争で、教科書的には干渉戦争と呼ばれます。そして何より、日本州東北地方および沿海州・ヤクートという辺境の地に、突然軍備とともに文明の物量がなだれ込んだという意味で、この地域にとっては決定的な歴史の転換地点として記録されるべき事態となったと考えられます。そして宮澤賢治は「月夜のでんしんばしら」において、数年前まで見聞きする機会のほぼなかったであろう鉄道および通信の技術に代表される近代文明をある晩突然体験することになった14歳の少年を描いています。

初めてこの作品を上演してから30年ほどになりますが、どうしてもいつも構成本位の舞台作りに傾いてしまい「正確な読解」に至れずに来た悔いが残っていました。問題点自体は分かってはいました。すなわち、鉄道もケーブル通信も世界文明の中で時代遅れなものになりつつある現在、初めてそれらと出会ったいち思春期の動揺について、もはや想像が及ばないからだ、ということだと思います。

ならば、時代を未来に取り直し、我々がまだ知らない未来のテクノロジーと国際社会観とに出会ってしまう14歳を、200年経って再来した第二次シベリア出兵を受け止める岩手の地にもう一度描いてみればいい。これが今回の翻案「月夜のでんしんばしら2119 碍子の兵法」の骨子です。

お楽しみいただければ幸いでございます。
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