先月の中ごろ、友人のヴァイオリニストのMさんから
来年2月16日にリサイタルをやるので
チラシをデザインしてほしいという依頼がきました。
Mさんとは30年来の友人です。
彼女は芸高、芸大で原田幸一郎氏や天満敦子氏らに学んだ後、
オランダのロッテルダム・フィルに入り、
帰国後、東邦音大の准教授をしてます。
12/5の室内楽の演奏会の時に配りたいので
大至急ということでした。
デザインと印刷に2週間ちょっとしかありません。
「無理!」と言いましたが、泣きが入りました。
私、グラフィックが専門じゃないのですが…(苦笑)
「専門の業者さんがいるじゃん!」というと
「オリジナルな感じのチラシにしたいから、エビネ君がいいの」
と言われてしまいました。
デザインは好きにしてよいと言われて
「時間がぜんぜん無いじゃん…」とグチグチ言いながら
お引き受けしました。
昨夕、印刷業者さんに刷り上がていただき、
すぐに宅配便で送りました。
12/5には間に合ったと思います。
とりあえずよかったです。
できたのがコレです。
最近のクラシックの音楽会のチラシは、
パソコンで自由にデザインできるようになったので
カラフルなものが増えましたが、
私は色が少ないものが好きです。
短時間で私ができると思ったデザインは、
点・線・面によるコンポジション風のもの。
クレーやカンディンスキー、ロシア構成主義が好きだからです。
音楽の3要素であるリズム・ハーモニー・メロディが
チラシから感じられたらイイなと考えました。
たとえば、ストライプや図形は、音の刻み(リズム)のように見えるし、
幾何学的な形態が4✕5のグリッドに秩序よく納まっていればハーモニックだし、
円弧はバイオリンのフレーズ感、つまりメロディ・ラインのような見えてきます。
一方で
左の方には円弧でヴァイオリンのシルエットが浮かび、
ストライプではピアノの鍵盤のような感じがでるかなぁと考えました。
全体的に黒とグレイと白の色調ですが、
若竹色をアクセントを一部に使いました。
ヴァイオリンがいちばんよく響くと言われるニ長調の調性感って、
私には緑色に見える気がするからです。
空いているスペースに、
出演者の写真や経歴、プログラム、会場への地図をレイアウトしました。
今、思うとこのチラシづくりは
配置計画、平面計画、インテリア計画という建築のデザインプロセスと
とても似ていることに気付きましたw。
チラシのデザイン案を見せた時、
「斬新でイイ」とすぐにOKがでましたが、
同時にチラシのデザインをモチーフにして
チケットも作ってほしいと言われました。
困ったものです…。
乗りかかった舟なので仕方がない。
チケットの色はワンポイントカラーに採用した緑色にしました。
チラシの中のパーツを採用して、
余白が利いた感じにしました。
ベートーヴェンさんの主題労作と似てるかなw。
半券をもぎった後、残りのチケットには
3つの○と3つの□が響きあういうオチもつけました。
本の栞などに使ってもらえたらいいなぁと思っています。
たまにはこういうモノを作るのも
ある意味で楽しいのですが、
私も他の仕事があったので
かなりバタバタな2週間でした。
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