昨日、飛び込んできた「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげるさんの訃報は
残念な気持ちとともに、感慨深いものがいろいろこみ上げてきました。
「ゲゲゲの鬼太郎」は、私が子どもの時のアイドルのひとりです。
妖怪たちが住む異界という概念を鬼太郎のマンガで学びました。
自分が住んでいる日常とはちがう異空間のイメージを
ここで知ったような気がします。
ルーマニアの宗教学者ミルチャ・エリアーデは自身の著書で
聖と俗をつなぐ通過儀礼の概念について書いていました。
それに影響されて、学生の時、
修論で「社寺の参道空間」の研究をしました。
聖なる空間と俗なる空間の差異をつなぐプロセスに興味を持ったのは
鬼太郎で知った異界そのものへの興味とつながっています。
私が建築の設計の仕事をしているからかもしれませんが、
建築的な関心も、鬼太郎からいただいたことがあります。
それは鬼太郎や目玉おやじが住む木の上の家。
今でいうツリーハウスです。
子どもの時、これと似たような秘密基地を
つくって遊んだのは私だけじゃないと思います。
40年ぐらい前に、
「木の上にお家があってもいいよね」
という自由な発想を学びました。
今、流行りのタワーマンションよりもずっと斬新w。
私の世代は、ヴァナキュラーな空間イメージを水木さんから、
そして近未来的なものを「鉄腕アトム」の手塚治虫さんから
知ったと言えるでしょう。
そして水木さんの訃報の後に知った後に読んだ
彼が提唱する「幸福の七カ条」はとても心の響きました。
どれとは言いませんが、
私の考えていることと、かなり合致していますw。
■
第一条
成功や栄誉や勝ち負けを目的に、
ことを行ってはいけない。
第二条
しないではいられないことを
し続けなさい。
第三条
他人との比較ではない、
あくまで自分の楽しさを追及すべし。
第四条
好きの力を信じる。
第五条
才能と収入は別、
努力は人を裏切ると心得よ。
第六条
怠け者になりなさい。
第七条
目に見えない世界を信じる。
■
昨夕、ローカルニュースでも水木さんの訃報だけでなく
さる7月に北茨城の天心記念五浦美術館を
訪問されていたことが報じられてました。
なぜなら「異界へのいざない−妖怪大集合」という展覧会だったから。
水木さんの作品も展示されていたようです。
熱心に歌川国芳や河鍋暁斎、小川芋銭らが描いた
妖怪の絵をご覧になっていた姿がありました。
93歳になっても、
好きの力を信じる・目に見えない世界を信じるということを
実践したということでしょう。
ご冥福をお祈りしています。
どーでもよいことですが、
最近、あるアイドルが鬼太郎の姿に扮しているCMがありました。
雰囲気はまあまあでているけれど、全然似てない。
中性的な感じは今っぽいのでしょうか?
私見ですが、元サッカー日本代表で
ガンバ大阪に所属している遠藤保仁選手の方が
ずっと鬼太郎に似ていますよねw。
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2
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