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2015年11月09日17:54

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東福寺にて

10/29、茨城空港と発ち神戸空港に着いたのが正午前でした。
ポートライナーとJRを乗り継いで、JR東福寺駅に着いたのは13時半ごろ。
東福寺に来るのは25年ぐりぐらいです。

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東福寺は、屋根がある通天橋から見る紅葉が有名ですが、
私が見たかったのは方丈庭園です。
この庭園は、昭和13年に作庭家・重森三玲がデザインした
「八相の庭」と呼ばれる枯山水の庭です。
4年ほど前、東京・外苑前のワタリウム美術館で開催された
重森三玲展でこの庭のことを知り、ずっと見たいと思っていました。

東庭は「北斗七星の庭」と呼ばれ、
東司(トイレのこと)の礎石の余材を利用しています。
雲文様の地割に配している。
星座の形を作庭に取り込んだデザイン、
私はここしか知りません。

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南庭 は、荒海の砂紋の中に
蓬莱、方丈、瀛洲、壺梁の四仙島を表現した配石で、
右方には五山が築山として表現されています。
京都には枯山水の庭はいろいろありますが、
長い石を横に寝かた事例はほとんど例がないそうです。

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もっとも有名なのは、
北庭の南の恩賜門内にあった敷石を利用し、
石と苔を幾何学的な市松模様に配した「小市松の庭」。
向かって左側には規則性のある市松模様ですが、
右側の方へ歩いていくと、どんどんと市松模様が崩れていき
最後には散り散りになって石が消えていきます。
これは釈迦の入滅までを表したものだそうです。

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東福寺の方丈庭園のモダンでいいですね。
しかも端材や余材を使うこともエコですね。
非常に現代的な感覚で作られた庭だと思います。

市松模様というと、
桂離宮の松琴亭の襖が有名です。
重森三玲は桂を見ていないはずがありません。
この桂のデザインが、東福寺に引用されていることは
まちがいないと思います。

世界的に有名な造園家ピーター・ウォーカーは
幾何学的なデザインが得意ですが、
彼は小市松の庭を見ていないわけないと思われます。

真似ということではなく、
デザインを引き継ぐことで
新しいものが生まれるための
連綿としたつながりを感じます。

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東福寺を後にして
京博で行われている「琳派展」をみました。
重文|鶴下絵三十六歌仙和歌絵巻が展示してありました。
これは本阿弥光悦の書、俵屋宗達の下絵というコラボ作品。
金銀泥と、墨によって構成されています。
余白の取り方など、画面構成が非常にたくみな作品です。
書のバランスもすばらしい。
(こんな字を書いてみたいと、悪筆の私は思いました。)

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お恥ずかしい話ですが、
私が昨日、常陸太田市のおにぎりコンテストに提出した「いもにぎり」、
実はこの絵巻物の色彩感を思い浮かべながら作りました。

金がサツマイモと油揚げ、
余白と銀が常陸太田産のコシヒカリ「みずほちゃん」、
塩こんぶが墨。

琳派ファンに怒られてしまうかも…。
適当につくるよりも、キレイなものを意識したほうが
うまくできるかなと考えたからです。
小市松の庭と桂離宮の類似性とは
比較になりませんけど…。

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