知合いの勤務先のクリニック、院長先生はとても良い方だ。技術が高く最新技術に精通しており、人当たりも非常に柔らかく丁寧な説明もでき、前向きでやる気はある。
・・・だが話を聞いていると計画性がまるでない。経営者としての資質は極めて低い。
「腕のいい料理人で評判はよく、客も多いわりになぜか儲からない」ってな感じだ。
4名の女性従業員への説明もまるで不足しており、思い付きで迷走、やる気はあるが空回りしている感じ。
一番顕著なのは計画数値の算出方法。
毎月1回の計画をたててこなすお客様の数や目指す保健点数を数値として出しているらしいが、先月実績からのフィーリングで少し多めのキリの良い数値を出しているだけ。これは計画性のある数値とは言わん。
計画ってのは一言で言えば「割り算」だ。
まず中長期的に、将来なりたい姿、あるべき姿を定める。これが「割られる数」になる。
んで、それを割る。基本的には納期(時間)で割るのが一般的だ。そうすれば1日当たりや1か月あたりにクリアすべき目標数値が定まる。短期間で目標を達成しようとすれば自然と傾斜がきつくなるが、そこで問われるのは実際の業務処理能力だ(この業務処理能力の数値そのものはこの病院、非常に高い)。
あとは季節係数や営業日数などでの調整をするくらいだが、それらは計画を練り上げて実行する経験を積むうちに自然と覚えることだ。
「町のクリニック」では経理は税理士さんをつけるにしても、経営指標について教えてくれる人物がいないのだろう。私も経営学に習熟しているとは言い難いが、それでも院長先生よりはわかってるっぽい。
人間的に好きな方だし、何よりも「件の清水寺の件」で大いに恩義を受けた。同世代でもあるし、自分のできることで恩返ししておこうとは思う。
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