ヤッパタに引っかかり出したのがどのタイミングだったのかもう覚えてないんですが、確かもう15年以上前だったと思うんだよなあ、「神曲」の取材で伊東に行ったのがきっかけで、その時の資料は結果的に全部没にしたんだからかなり初期稿の段階で、ハメルン完成の1999年よりもっと前だったような…。(神曲も15年も書き続けてたんでてんで指標にならん←)
…まあそういうわけで、ひとりの人間が費やすには長すぎる時間と、おそらく100万を超す取材調査費と、「紅い兎」を含む膨大な反古と、最終的にはわずかふつかの執筆期間をもちまして、今シリーズ第40作となります戯曲「やっぱた考」60枚、昨日完本致しました。
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=63544184&id=1946389700
伊東駅前にいぜん「黒潮寿司」てのがありましてメニューにヤッパタて書いてあってなんやそら、と思ったのが始まり。標準和名クロシビカマスていうんですが数ある地方名のなかでヤッパタと呼称してるのが伊東だけだということが分かって、何とかそのナゾを解いてやれ、ていうことでした。解けたのが5-6年前でしたかね。それから3回ばかしぜんぜん別々の稿で立ち上げては轟沈してきました。いやー難産やった。
ローカルニュースに食らいつくのが歴史劇の本念だと思ってるわけですが、ミクロに対するマクロ、この話題はどこまでグローバル性をもっとんねん、ていうことを見極めるのが今回ホントむつかしかった。めんどいから全地球を舞台にしてみたら収まった←
でもビリビリ来ましたわ。ローカルルールは「考えようでグローバルルールにも適用できる」ていう作品をあんまり書いてるとだんだん観念論みたいになってくるじゃん?今回のは、ローカルルールをおそるおそる拡げていってみたら何のことはないグローバルルールはすでに物理的経済的民族的にとうに存在していて、たんにこのミクロとマクロを結びつけて考えようとした人がひとりとしておらんかっただけ、てことが分かってきたわけです。してやったりでしたわ(自慢)。
クロシビカマスなんてマイナーな魚、と思ってたらマイナーなのは日本の事情でじつは世界ではめっちゃ食われてて特に南半球では重要な魚種で加工品は日本にも輸出されてて、普段からオレ自分で売ってたNZ製の「サワラ西京漬け」とかがまさにその魚だったりとか(それを倒産数日後に知るとかw)、見えてるはずなのに見ていないことが手を伸ばせば物理的にすぐ届く範囲にあったのに15年も遠回りするとかね、まったく諸行無常であります。
まあええわ、とりあえず調べたいだけ読んで歩いて書きたいように書いた。とんでもない奇書がでけた。それでええ。
先に進みましょ。
ここで今、40篇を振り返りつつ地球儀眺めてるんですが、なんつか、ほぼ、おおまかには、すべての地域に言及できたかな…あるいはもうちょいで言及できるかな…、て感じです。
過去作品リスト
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1940803010&owner_id=63544184
まあ、もちろん虫食いですよ。全部は記述できないし、歴史も芝居も虫食いでしか表現できないところが好きなんで(ぇ)それでいいんですが、あと、都市部を描きたがらない習性があるのはいかんともしがたいんですが、今んところザックリ言ってぜんぜん述べたことがなくて予定もないのは…
・カリブ海のアンティル諸島とパナマ地峡あたり
・インドネシア、フィリピンあたりの島
・西アフリカの黄金海岸あたり
・ルブアルハリ沙漠あたり
・シベリアのヨーロッパ側
…くらいっすよ。FOMALHAUTの歌220曲は含めずにですよ。すごくないこれ?
今は次回作の予定はありません。カラッケツです。いま無理くり絞り出す企画なんてどうせろくなもんじゃないので主題の方から訪ねてくるのを待ちます。取材であちこち行こうと思ってた旅行先も給料未払いのため足踏みしてたら書き終わっちゃったんでナシw
書き終わった直後の作家には何の価値もないんだけど、この無価値なところにたどり着くのが快感だったりもするわけで。
しばらくは阿呆みたいに地球儀回しながら暮らします。
……マリアナ諸島なんか良くね?(笑)
ログインしてコメントを確認・投稿する