ＥＵとは何だったのか

ハンガリーとはドイツも言い争いをしているが、そもそもこの難民問題、たどっていくと
アラブの春という民主運動から始まっている。エジプトやリビアなんかでは結局独裁政権
を倒した。ま、その後民主化したら国民の生活は良くなったかというとそんなことは無い
わけだが、そんなことはどうでも良い。

シリアでは独裁政権側がなかなか倒れず、そんなところにＩＳＩＬという勢力が絡んでき
て訳分からん状態になった。紛争は泥沼化し大量の難民が発生した。難民達はヨーロッパ
へ行きたい。当初はリビアまで行ってそこから船で地中海を超えてイタリアを目指した。

こういう船はオンボロで、地中海すらロクに超えられないようなものだったので、事故が
続出。その対策としてイタリアは海軍まで動員して難民船を保護していたが、とてもじゃ
ないがリソースが足りない。というわけで難民船受け入れ拒否する方針とした。

そこで今度は陸路ということでトルコからバルカン半島経由の経路に移動経路が変わる。
結果として経路にされた国の間で押し付け合い、擦り付け合いが始まったというのが現在
の状況だ。どの国の言い分が正論か？なんてことは、ハッキリ言ってどうでも良い。問題
はＥＵの理念「欧州は一つの家」というのはどこに行ったのか？ということだ。

さんざんこれまでキレイ事を言ってきておきながら、厄介事が起きるとこのありさまだ。
ドイツなんぞは、これまでさんざん「第二次大戦後の処理。ドイツ偉いでしょ、日本はク
ズでしょ」と言ってきておきながら、お前らはどうなんだよって感じだ。

現在のＥＵはドイツ・フランスの盟友２国が事実上支配している。この２国はＥＵ全体で
平等に難民受け入れよう、なんて言い出している。しかし難民が行きたいのはドイツであ
り、東欧なんかの貧しい国じゃない。独仏と東欧では深刻な対立が起きている。ＥＵ崩壊
もどうやら秒読みか。そしてその後は第三次世界大戦というわけだな。