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2015年09月16日05:04

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ひとならば思ふ心をいひてましよしやさこそはしづのをだまき 藤原惟成

ひとならば思ふ心をいひてましよしやさこそはしづのをだまき
 藤原惟成
 題しらず
 新古今和歌集 巻第十五 恋歌五 1426

「もしあの人が人並みの心をもっているなら心のうちをうち明けてしまおうかしら。ままよ、こんなに身が賤しくても。」『新日本古典文学大系 11』p.415

惟成弁集、二句「思ふ思ひと」。
人ならば 普通は草木に対していうので、人に対しては厳しい表現になる。
さこそは こんなに。どんなに。
しづのをだまき 八雲御抄四[やくもみしょう 順徳天皇 1197-1242 による歌論書]「げすの、を(苧)さばくるなり」。能因歌枕[能因 988-1050 による歌学書]「いやしきことをいふなり」。「いと」を「糸」に掛け、その縁語として続けたもので、主意は「げす」即ち「いやしきこと」にある。苧環(おだまき) 倭文(しづ)織にする麻糸を巻きつけたもの。「しづ」に賎(身分のいやしいこと)を掛ける。
「賤しきを厭ふ恋」。

藤原惟成(ふじわらのこれしげ/これなり 953-989)平安時代中期の貴族。花山天皇側近。拾遺集初出。勅撰入集十七首。
http://bit.ly/1q3blJr http://bit.ly/1pIPOZd

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