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2015年09月01日20:53

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魔界水滸伝3

を読んだ。2014年中(汗)。栗本薫著。角川文庫。
 夏姫とまりの2人は夏休みの共同研究のため、葛城山中にいた。
しかし人気のない山中でバイクに乗った暴走族の集団と遭遇し、輪姦されてしまう。
さらにそこに奇怪な怪物の集団が現れ、暴走族は皆殺しになり、まりも身体を引き裂かれて殺され、次は夏姫の番というところで、妖怪鷺の姫の意識が目覚める。
迎えにきたハーピー、カルラと共にクトゥルフの卷族だが下等な怪物どもを殺し、その地域を統べている妖怪土蜘蛛の領域へ向かう。
しかし警告を受けた土蜘蛛はどうせやつらは結界を破れないからと取り合おうとしない。
話がこじれてついには決闘が始まりそうになるが、そこに現れた天狗の長が仲裁する。

 葛城あき子は無惨なバラバラの死体となっていた。しかし彼女は妊娠しており、子宮は傷ついていなかったため、胎児は助けられるかもしれないということだった。
しかもその胎児は安西雄介の子供だという。
ショックを受ける雄介だが、そこに葛城家の若頭である葛城多一郎が現れる。
北斗化学の御曹司でもある多一郎は、高圧的な態度で雄介を侮辱する。
そして多一郎は公開できない多数の写真を撮影したNASAをはじめとする各国の最新情報でも、異次元からの侵略が始まっているのは確認されており、北斗化学が属する黒崎グループと、超科学的な能力を持つ葛城一族が手を結んでそれに対応しようとしているのだと言う。
葛城一族の長である葛城天道と面会した雄介は、天道が人ならざるものに変化していることを知り、決意を新たにする。
 葛城邸を出た雄介は、自分の過去と弟の竜二のつてで、これから始まる戦争に備えて戦力になる人間を探すことに。しかしその前に葛城山でも殺人事件のニュースが目に入り、被害者2人の内1人が結城画廊の一件で出てきた名前だと思い出した雄介は、葛城山へ。
そこで出会ったのはかつて怪奇現象の専門家である岡田に名前を教えられていた加賀という奇妙な男だった。
加賀によれば、日本は妖怪族の首都であり、その妖怪達はクトゥルフの捲族と戦ってきたのだという。
最初の仲間として加賀を加えた一行は、彼に言われるままエジプトに向かうことに。
その前に雄介は、「三革」時代の部下を召集。
最初にやってきたのは草薙三四郎という希代の詐欺師であり天才ドライバー。
次は那須俊明。爆発物の天才。
そして左文字徹。変装と語学の天才。
3人の奇妙な人物が集まったところで、次は大学に行き、竜二のつてを当たる。
竜二は伏魔殿と呼ばれる運動部の頭領であり、彼の配下にはまさに怪物と言えるような「運動部員」がそろっていた。
続々と集まってくる化け物じみたメンバーに、なにもできない涼は行き場を無くしたような気分になっていたが、「運動部員」の一人である少女小角に食事に誘われていそいそとついていく。

 1人雄介は岡田のアパートに向かう。
知識豊富な彼も仲間に入ってもらおうという算段だったが、雄介が見たのは元は岡田だった血と肉と骨の塔だった。
部屋は密室だった。
住人が呼んだパトカーが接近してきたので、そこにあったノートを取って逃げ出す雄介。
次に葛城天道の屋敷に向かう。
しかしそこはもぬけの空であり、いたのは北斗太一郎だけだった。
太一郎はクトゥルーと戦うために雄介に手を組まないかと誘うが、雄介は即座に断る。
太一郎は赤ん坊は「金髪で青い目だった」と言い残して去った。
 加賀から連絡が入り、いよいよエジプトに向かうということだった。
またパレスチナでゲリラ活動をしている「火の神の使者」と称している一団のリーダーが、日本人の少年らしいという情報も。
しかも少年は「伊吹風太」と名乗ったらしい・・・

 怒濤の登場人物増加編で、一癖もふた癖もあるキャラクターが山のように登場。いよいよ水滸伝らしくなってきた。
しかし・・・・・・・この後著者がいかにいい加減に物語を紡いでいるのかを思い知ることになる(笑)
例えば作中葛城天道が、太一郎のことを全く妖怪の血を引いていないが、真の妖怪にも比すべき本当の意味での人間と評する。
しかし後の展開で、太一郎はまさに妖怪中の妖怪だと判明するのだ(笑)
設定も展開も、先が読めないどころか前振りが全く無視されたりするわけで、先が読めるわけもなし(笑)
しかし面白ければいいという観点では、このシリーズは十分にクリアしていると思う。
これでいいのだ(笑)
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