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2015年08月02日15:00

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白鳳文化

一昨日、朝から奈良国立博物館へ。開館120年記念特別展「白鳳 ー花ひらく仏教美術ー」。
「白鳳期」とは正確には知らないが、概略、大化の改新から奈良遷都の間を指す美術史上の時代区分名のようだ。律令制国家の誕生と成長と共に、数々の寺院が建てられ仏像群が造られた時代。

新しい概念による国家の誕生成長(無論、そこには陰惨な政治的事件も多いが)を時代背景にしている故か、白鳳の諸仏は一言で言えば「若々しい」に尽きるかな。今回の展もその「若々しさ」が強調されていたように感じた。
種々の仏像が展示されていたが、この展ではやはり何んと言っても、薬師寺の月光菩薩・聖観音像が圧巻だった。あの黒光していて若々しい体躯をもつ像。高校生時代から見慣れた像だが、今回改めてその大きさに感じ入った。
現在、薬師寺東塔が解体修理中だったからだろう、凍れる音楽とまで形容された東塔の上の、相輪と水煙が出展されており、まじかに観ることが出来たことも感激をいや増しにした。(なんて言っても、有名だが、はるか下から見上げるだけか、写真で見るしかなかったのだから)

よく冷房のきいた館内で二時間半、タップリと楽しんだ。が、昼過ぎに展を出ると強烈な日差し。いつもなら飛火野辺りを散歩するところだが、余りの酷暑に恐れをなし散策放棄。
「蕎麦を食べよう」と、外国人観光客が多い南大門をくぐり、東大寺ミュージアムの横の路地に入り、戒壇院に至る道の脇にある古びたしもた屋のそば屋「喜多原」(朝に打った蕎麦が無くなれば閉店という小さなお店。お隣は入江泰吉旧居)。

なんと、六つほどの席の殆どが外人客、日本人客は我々夫婦のみ。こんなお店まで外国人に占領されているとはビックリ。あつもり蕎麦と奈良野菜のてんぷら盛り合わせに舌つづみを打つ。
駐車場に戻り際、今まで入った事がなかった茶室のある日本庭園の吉城園を散策。ここでも三組の客がいたが、全て外国人客。外貨獲得と国際親善に大いに結構なのだが、ここまで占領されると、ちと・・・・。

今朝ほど、『仏教思想のゼロポイント』読了。テラワーダ仏教(スリランカ、ミャンマー、タイなどの仏教、上座部仏教とも言われている)。日本仏教ではあまりポピュラーでない原初仏教をあえて選び、仏教の原点にせまる書。大変よく理解できて、面白かった。

今日以降は、『語りえぬものを語る』に取りかかる。こちらも読み終えた後で、二冊を混ぜ合わせながら、読後感を語ろうと思う。

補遺:
このところ、TVニュースで、「戦後70年「玉音放送」原盤初公開」が報じられている。
昨朝は、ふと目に入った女房殿の俳句同人誌をパラパラ覗いていたら、特別寄稿「戦後70年に想う」との俳句同人誌とは思えぬボリウムの記事が有ったので、ズルズルと引かれるように読んだ。
その寄稿のなかに、こんな歌が引用されていた。

      六二三、八六八九八一五、五三に繋げ我ら今生く

6月23日沖縄戦終結、8月6日広島・9日の長崎への原爆投下、9日からの旧満州へのソ連軍侵攻、15日の終戦。「五三」は昭和22年5月3日憲法施行の日。

日本の夏は、盂蘭盆とも重なって、慰霊の季節。今夏、「五三に繋げ」と詠まれた憲法も、なにやらアヤウイ!
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