みそぎするならの小河(おがは)の河風に祈りぞわたる下に絶えじと
八代女王
題しらず
新古今和歌集 巻第十五 恋歌五 1376
「禊をするならの小川の川風に吹かれて祈りつづけているよ。二人の仲が人知れず絶えないようにと。」『新日本古典文学大系 11』p.402
古今六帖一 読人しらず。
みそぎ 六月晦日の禊。夏越(なごし)の祓。川の瀬に出ていぐし[斎串 榊(さかき)や笹などの小枝に幣(ぬさ)をかけて神に供える]を立て、大幣や撫物(人形)等を流す。
ならの小河 八雲御抄五[やくもみしょう 順徳天皇 1197-1242 による歌論書]は山城国とし、この歌を引く。
「わたる」「絶え」は川の縁語。
古今六帖では八代女王の一首の後に並んでいるので、同じ作者の歌と誤認している。
「小河に寄する恋」。
八代女王(やしろのおおきみ 生没年不詳。系譜未詳。)奈良時代の人物。万葉集の歌人。勅撰集は新古今集の一首のみ。
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