夜(よ)のまにも消(き)ゆべき物を露霜(つゆしも)のいかにしのべとたのめおくらん
権中納言俊忠
家に恋十首歌よみ侍りける時
新古今和歌集 巻第十四 恋歌五 1341
「今夜のうちにも私の命は露霜のように消えるにちがいないのに、どこまで堪えさせるつもりで、こうもあてにさせて置くのであろう。」『新日本古典文学大系 11』p.392
露霜の 「消ゆ」「置く」の枕詞であるが、ここは上二句「消ゆべき物」に倒置的にかかって序の働きをし、下の「おく」には枕詞となる。「消ゆ」と「置く」は対語。
「露霜」は秋の霜。
「露に寄せて頼むる恋」。
藤原俊忠(ふじわらのとしただ 1073-1123)平安時代後期の公卿、歌人。金葉集初出。
http://bit.ly/1uY6qjL
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