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2015年06月22日05:42

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問へかしなを花(ばな)がもとの思ひ草(ぐさ)しほるる野辺の露はいかにと 右衛門督通具

問へかしなを花(ばな)がもとの思ひ草(ぐさ)しほるる野辺の露はいかにと
 右衛門督通具
 題しらず
 新古今和歌集 巻第十四 恋歌五 1340

「どうか声をかけて下さい。尾花の下の思草がぬれてぐったりしている野辺の露、それはどんなに重いかと。」『新日本古典文学大系 11』p.392

建仁二年(1202)頃、千五百番歌合 恋二。
本歌「道のへの尾花がもとの思ひ草今更なにの物か思はむ」(万葉集十 作者未詳)。
を花 穂の出たススキ。
思ひ草 作者通具の説では露草。八雲御抄三[やくもみしょう 順徳天皇 1197-1242 による歌論書]に「露草なり。通具卿説なり。」というが特定の草ではなかったらしい。恋する自分に擬する。
しほる ぬれる意で、涙にくれることの譬喩。萎えしぼむ意の「しをる」とは別。
野辺の露 思草の露ではないから涙ではなく、人のつれなさの譬喩。
人のつれなさに思い屈している自分に、同情を求めたもの。
「露に寄せて頼むる恋」。

源通具(みなもとのみちとも 1171-1227)平安時代末期から鎌倉時代前期の公卿、歌人。源通親の次男。妻は俊成卿女、後に離別。和歌所寄人、新古今集撰者(入集十七首)。勅撰入集三十七首。 http://bit.ly/14dtJXV http://bit.ly/14dtQ5M

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