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2015年06月19日05:12

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思ひいる身は深草(ふかくさ)の秋の露たのめし末(すゑ)やこがらしの風 藤原家隆朝臣

思ひいる身は深草(ふかくさ)の秋の露たのめし末(すゑ)やこがらしの風
 藤原家隆朝臣
 水無瀬恋十五首歌合に
 新古今和歌集 巻第十四 恋歌四 1337

「深く恋い慕う身は深草に置く秋の露のように、涙にぬれそぼっているが、あの人の約束もはては木枯らしの風と吹いて、私はこぼれ散る露となって消え入るのではなかろうか。」『新日本古典文学大系 11』p.391

建仁二年(1202)九月十三日、後鳥羽院主催の水無瀬恋十五首歌合 秋恋。同年、若宮撰歌合。
深草 高く生い茂る草の意に山城国の歌枕を掛けて、伊勢物語一二三段の面影がある。
たのめし 「たのめ」は下二段活用の他動詞で、「期待させる」「あてにさせる」意。
末 草の縁語。
こがらしの風 秋冬の風。露を吹き散らすもの。
上句・下句ともに体言止め。イメージの連鎖の仕方もみごとで、新風の恋歌として、技法的にはほぼ完成の域に達した作であろう。
「露に寄せて頼むる恋」。

藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう)1158-1237)和歌所寄人。新古今集撰者。千載集初出。新勅撰集最多入集歌人。勅撰入集計二百八十四首。隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では小野小町と番えられている。小倉百人一首 98 「風そよぐならの小川の夕ぐれはみそぎぞ夏のしるしなりける」
http://bit.ly/YMJEeS http://bit.ly/YMJCDL

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