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2015年04月25日18:10

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『黒部の太陽』をも凌ぐ土木映画の大傑作!『佐久間ダム』

23日は文京区シビックホールへ。土木映画イブニングシアター・BEST1の上映会。


○『佐久間ダム』第一部(1954)39分。第二部(1955)63分。第三部(1957)52分。――脚本演出:高村武次。撮影:小村静夫。企画:電源開発株式会社。制作:岩波映画製作所。白黒。
天竜川上流に建設される日本最大のダム工事を順序正しく記録した、土木映画の大作中の大作。
15:00開演で講演が16:00まであり、そのあと19:15まで上映会である。――誰がこんなもん見たいか!?こんなもん誰が見に行くか!?
会場は一般客はほとんど見あたらず、黒背広の殿方達(ヤクザではなくて電源開発株式会社などの土木関係者が仕事で来ている)で満席だ。
後ろの席に令子さんも来ていたが、一番前の席で四時間十五分は耐え難いので、もう退屈だったら途中で帰るつもりだった。
が、しかし――!なんという面白さ!全く退屈しない。

基本的に土木工事の記録映画であるから、ただただ掘っては瓦礫を掬って捨て、固める。
それが緊張感ある映像とドライな演出で、パワーショベルなど全てのメカのデザインが可愛くてセクシー、そして爆破は快感だ。――もう目が離せない。
その緊張感ある画面を伊福部昭(!)のゴジラ丸出し音楽がいやが上にも盛り上げる。掘ってる最中に何か出てくるんじゃないかとドキドキしてきて、全て円谷の特撮メカに見えてくる。
子供の頃どろんこ遊びで川を作り、それをせき止め、トンネルを造る。それを大人達が大規模でやっている。どこか子供心をくすぐる記録映画だ。
ダムに沈む村の祭りも記録として簡潔に挿入しているが全く感傷的でないところが良い。

土木映画にもかかわらず、記録映画代がお国から出ないというので土木映画を劇場公開して制作費を稼いだようだ。
三部は重複している部分もあり、ダムの仕上げの部分なのでパワーが落ちるが、一部二部は大傑作だ。土木学会でDVDの貸し出しもしている。伊福部の音楽もネット内で視聴できる。
機会があれば必見の土木映画! 国内外の賞を多数受賞。

土木学会イブニングシアターの解説『佐久間ダム』
http://committees.jsce.or.jp/avc/node/671
伊福部昭「佐久間ダム三部作」
http://www.vap.co.jp/goods/1361936173660

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