を読んだ。バイトのOKさんに借りて。2015年3月10日。山本弘著。東京創元社。
化夢宇留仁は知らなかったが、世にはビブリオバトルというとても面白いイベントが存在するらしい。
各自が自分のお勧めの本を紹介し、それを聞いて読みたいと思った人の数で勝敗を決めるというもの。
この本はビブリオバトル部に入ることになったSF好きの少女が主人公で、様々な本の紹介を交えつつ、部員達との交流やバトルの様子を描いている。
まずは化夢宇留仁は初っぱなから個人的にツボで、なぜかというと最近化夢宇留仁が読んだ本のタイトルがどんどん出てくるのだ。
「レンズマン」「虚空の遺産」「10月1日では遅すぎる」「闇よ、落ちるなかれ」「原子力潜水艦シービュー号」「宇宙嵐のかなた」「火星年代記」「時間からの影」「狂気の山脈にて」「宇宙からの色」「エンダーのゲーム」「地球人のお荷物」「惑星カレスの魔女」「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「タイム・トラベラー」「アンネの日記(増補新訂版)」「宇宙戦争」・・・
もちろん他にも山ほど本が出てくる。
この辺山本弘はやはりうまい。自分の読んだタイトルが出てきただけで嬉しくなるとか、当たり前でもなかなか気づかないポイントを見逃さないのだ。
物語は前の学校でいじめられていた主人公がビブリオバトル部に入ることで好きなSFの話をきがねなくできるようになり、打ち解けてバトルに参加していくという、ありきたりとも言えるようなものだが、そもそもシリーズ化を前提に描かれていることもあり、第1作はこれで無問題だろう。
それより少し気になるのは後半の思想的な問題を扱ったところで、悪くはないのだがこれは逆に第1作には入れなくてもよかったような気もする。ちうかその部分は小説と言うより山本弘のコラムみたいに見えるんだよな(笑)
それと主人公と変な距離感で接することになる、第2の主人公でもある酒造会社の息子の、SFやマンガ、アニメ、それにエロ要素への偏見の激しさに少々面食らったが、あえてその辺物わかりの悪いキャラクター(それも主人公クラス)に配しつつ、展開上でその心情に少しずつ変化を持たせていくなど、逆にやっぱり山本弘うまいな〜〜〜〜っとうならされた。
というわけで全体的に完成度が高く、安心して楽しめる作品である。
しかし山本弘の作品全てに言えるのだが、とにかく理屈で全てを考えて作っているというのが分かるので、どれも安定感は抜群だが飛び抜けないというのはこの作品も同じ。
その辺も化夢宇留仁は好きなところではあるのだが。
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