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2015年03月02日21:39
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先月、厚生労働省社会保障審議会年金部会が、これまでの議論の整理を行い、報告書として公表した。 社会保障・税一体改革で残された課題や、平成26年財政検証を踏まえた今後の課題について、現実の状況も踏まえた具体的な論点整理を行っている。 議論が収束しなかった課題もいくつかあるが、それぞれの議論をよくまとめている ▼全体として、現在公的年金制度が直面している課題をよくとらえていると思うが、ひとつ気になる用語法がある。 それは「セーフティネット」という言葉である ▼所得保障を議論する際、しばしばセーフテイネットという言葉が使われるが、この言葉は極めて曖味でミスリーデイングな言葉ではないか。 特に社会保険制度としての年金制度を議論する際には、気を付けなければならない ▼それは、社会保険制度には防貧機能はあるが、救貧機能はないということである。 社会保険制度においては、保険料を納めていなければ、給付はないということである ▼この原則はしっかりと守られなければ、不公平が生じる。 「運用三号問題」でこれは経験したことである。 また、社会保障・税一体改革で民主党は低年金者への増額措置を提案したが、一二党合意のときに、福祉的給付に切り替えられた。 保険料を納めても納めなくても給付は同じということになると、正直者が馬鹿を見る制度になってしまう ▼保険料を納めていなかったために給付が無く、困窮化してしまったという者には社会扶助制度からの給付に切り替わるのが筋である。 そこではミーンズテストが厳格に行われ、本当に困窮化した者に対してのみ、社会扶助給付が行われる。 そして、これこそがセーフティネットなのではないか ▼すなわち、セーフティネットという言葉は、救貧機能に属する言葉であり、社会保険制度にこの概念が入り込むと、制度に混乱と不公平が生じる。 今後の改正議論においても、気を付けるべきである。 (い)
年金の伸びを賃金や物価の伸びよりも抑える「マクロ経済スライド」が4月から発動される。現在、年金を受け取っている高齢者だけでなく、現役世代がもらえる年金も減らされる。将来的にどれだけ年金が減るのか。厚労省によると、「マクロ経済スライド」を43年ごろまで続け、厚生年金を現在の年金額より2割、国民年金を3割削減する方針という。 将来にわたって厚生年金と国民年金がどれだけ減額されるのか。厚労省が昨年公表した、将来の見通しを立てる「財政検証関連試算オプションIII」のケースF〜Hの数値を参考に、社会保険労務士でブレインコンサルティングオフィス代表の北村庄吾氏にシミュレーションしてもらった。 すでに年金をもらっている世代の受取額からみてみよう。 16年度の国民年金は15年度から月770円少なくなり、以降毎年、500〜900円程度ずつ減らされる。 5年後の20年は6万1534円で、3474円減額。36年には5万524円と、約20年間で1万4484円も少なくなる計算だ。 次に厚生年金を見てみよう。現在10万円受け取っている人の場合、15年には9万8921円になる。5年後には、9万3634円、36年には7万6882円にカットされる。 都営住宅に住む鈴木ヨシコさん(仮名・77歳)の場合、厚生年金基金と遺族厚生年金を除く、国民年金と厚生年金の約8万円がカットの対象。10年後には約7万2千円に減ってしまう。 「高齢者の受け取る年金はよく『もらいすぎ』と言われていますが、低年金の高齢者たちの生活が成り立つようにしなければ、生活保護を受ける人が増えてしまいます。現在、生活保護を受けている世帯の半数近くが高齢者世帯。年金をカットすれば、反対に生活保護費が増えて、社会保障費全体でみても負担が増えてしまうことが考えられます。年金制度を維持するためには、社会保障費全体で今後の年金をどうするのか考えるべきです」(北村氏) では、次に現役世代の会社員が受け取る年金を見てみよう。 厚生年金のモデル世帯、夫の平均的収入(賞与を含む月額換算)が42.8万円で40年間働き、妻が専業主婦のケースの場合を計算してみよう。 厚生年金は10万円、国民年金は夫婦合わせて13万円。厚生年金と国民年金を足すと23万円になる。これに、「マクロ経済スライドにより支給される率」をかける。 65歳を迎えるのが今年であれば、23万円×98%で、22万5400円。5年後の2020年に65歳を迎える人は、23万円×93%で、21万3900円。現在よりも、1万6100円少なくなる計算だ。 今後、少子化に歯止めがかからず、さらに年金加入者が少なくなるようであれば、スライド調整率は上がってくることも頭に入れておいたほうがいいという。 「将来的に厚労省は、現在65歳となっている受給開始年齢を、段階的に70歳まで引き上げることも狙っているでしょう」(同) ※週刊朝日 2015年3月6日号より抜粋
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