を読んだ。2014年10月26日。デイヴィッド・ウェーバー著。矢口悟訳。ハヤカワ文庫。
社会主義的新政府の圧政により、軍にも監視がつき、作戦を失敗した提督は処刑されるなど、柔軟な戦いが困難となり、マンティコア航宙軍に押されていたヘイブン共和国軍だったが、そんな中にも優秀な人材は存在し、彼らはよってマンティコアのアドラー星系基地を奇襲。これを瞬時に壊滅させた。
晴れて提督となったオナー。恩師とも言えるハミッシュ・アレクサンダー司令官と対面した彼女は、彼が新兵器に対して強い偏見を持っていることを批判する。
愛弟子のような部下に叱咤され、驚いたアレクサンダーの方は、その瞬間にそれまで思ったこともない感情、オナーを魅力的な女性だと気付く。
ニミッツの精神感応によってそれを知ってしまったオナーは、あまりにも予想外のことに動転してしまい、その後アレクサンダーと顔を合わせづらくなり、予定を早めて艦隊勤務に復帰する。
その最初の仕事はアドラー星系を経由する輸送艦の護衛だった・・・。
とりあえずこの邦題「囚われの女提督」は酷いと思う。
「囚われの」と書かれてしまっては、オナーがヘイブンに捕まるというのが分かってしまっているわけで、それまでの展開はひたすらその前フリみたいに感じて落ち着かない。
原題は「THE ENEMY HANDS」で似たようなものと言えばそうなのだが、まだこっちは敵の罠にかかるとか、それ以外の解釈もできないことはない。
化夢宇留仁は予定があると気になってそわそわするタイプなので、ほんとうにこういうのはやめてほしい(笑)
それに「女」提督というのもなんだか変な感じである。
タイトルはさておき(笑)、ここからネタバレ。
上記のような展開の末、オナーとその部下達は輸送艦が脱出する時間を稼ぐために囮となり、ヘイブン共和国軍に捕まってしまう。
その後ヘイブンの秘密囚人惑星へ送られるのだが、その間ひたすらえらい目にあい続けるが、裏切ったかと思われたハークネス上級上等兵曹の活躍で決起し、脱出に成功。
しかしそこは適地の奥深くで宇宙船もなく、爆発に紛れて囚人惑星に着陸するのが精一杯だった・・・。
予想以上に絶望的な展開で、マンティコア航宙軍の決死の救出隊でも派遣されるのかと思ったらそんなこともなく、どうなることかと思ったらスーパーヒーロー、ハークネスの活躍で脱出。
状況が絶望的すぎたせいか、ここはハークネスの活躍が荒唐無稽レベルで、ちょっとあきれた(笑)
まあほんとにそうでもしないと脱出など考えられない状況で、どうしようもないのだが、それまでまあまあリアルな展開を見せていたのと比べるとやはり浮いている。
仕方がないが。
またヘイブンの国防警務局の戦艦<テペス>の爆発とともに、狂信的な政府高官として活躍(?)していたコーデリア・ランソムも運命を共にしたわけだが、爆発間際の彼女の様子は一切描写されない。
ここはリアルではあるのだが、どうせハークネスのヒロイックな活躍の結果なのだから、ここはそう割り切って典型的な悪役の最期を描写してもよかったのではなかろうか。
例えば状況がつかめず、ヒステリックに部下を怒鳴り散らし、艦長に詰め寄ろうとしたところで爆発(笑)とか。
そんなこんなでオナーの苦難は次の巻に続く。
巻末には次巻予告編まで載っている(笑)
この商売上手(笑)!
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