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2014年11月29日06:11

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人は苦を絶対的に脱することが、そもそも出来るのだろうか

苦には
大きく分けて
肉体的な苦痛(くつう)と
精神的な苦悩(くのう)に
区別出来る。

肉体的な苦痛は
それが
病気であれ
怪我であれ
処方が存在する。

もちろん
不治の病苦や
致命傷は
脱する事が出来ないので
死を待つのみである。

それでは
精神的な苦悩は
どうであろうか。

精神的な苦悩にも
自分自身に責任の有る苦悩

自分自身に責任の無い苦悩
(たとえば社会的抑圧や生来の精神的病苦)

分けられる。

自分自身に責任の有る苦悩ならば
自分自身せ責任を取れば良いだろう。

では
自分自身に責任の無い苦悩は
どうだろうか。

これも
他者に責任を取らせる事が出来る苦悩と
他者に責任を問えない苦悩とに
分ける事が出来る。

他者に責任を取らせる事が出来る苦悩であるならば
法的に闘えば良い。

けれども
自分に責任は無く
他者にも責任の問えない苦悩は
如何にしても脱する事が出来ないのだろうか。

仏陀は
一切皆苦と悟ったが
その場合の苦とは
自分自身に責任が無く
しかも
他者に責任を問う事も出来ない苦悩
ではないだろうか。

たとえば
煩悩は百八つ有ると言われるが
そのどれ一つをとっても
他者に責任を問う事は出来ない苦悩の原因であり
しかも
生来自分自身にインプットされているものであるから
自分自身の責任でも無い。

他者の責任を問う事が出来ず
自分自身に責任も無い苦悩から
脱する方法を考えて説いたのが
仏教の本質だとしたら

そして根本的には
キリスト教も
そのような苦悩からの脱出の道を
説いているとするならば

我々は
仏教の真髄や
キリスト教の神髄を
知って実際に行為することで
苦悩から脱する事が
出来るのでなければならない。

宗教とは元来
苦悩からの脱出法で
あるはずだ。

ところが
自分自身の苦悩の解決が
もしも
他者の苦悩の原因と成る場合
(この場合の「他者」は人間だけではなく総ての生命
 そして自然環境をも含む「自分以外の総ての存在」)

どうだろうか。

その場合の解決法は
自己中心的な自己満足に過ぎない解決法として
非難されるであろう。

だとしたら
苦悩の解決が
他者の苦悩の原因にも成らない解決法とは
いかなる行為または思想を言うのであろうか。

そのような解決法を考えるのが
哲学的宗教を言うシェリングの積極哲学や
絶対無の場所を言う西田幾多郎の無の哲学や
脱構築から再構築へ向う有機体の哲学を言う
ホワイトヘッドの哲学が
目指した方向であったと思われる。
(もちろん、それ以外の総ての哲学も
 そもそも宗教だけでは解決出来ない問題を
 哲学の範囲内で解決すべく払われた努力の結果である。)

けれども
彼等の哲学が
この世界に存在してから
幾年月過ぎたであろうか。

彼等の目的は
実現しつつあるだろうか。

マルクスの思想は
現実の中では
成功しなかったが

だからといって
彼が目指した
万人に貧困を齎(もたら)さない社会の建設は
いまでも我々人類の課題として
残っている。

シェリングや西田やホワイトヘッドの哲学が
現実の社会に
天国(神の国)や
極楽浄土(仏国)を
齎さないとするならば

彼等の思想は
未だ発展途上にあると
言うべきで

我々は
それを発展させる課題を
担っていると
考えるべきだ。

ところで
現実の苦悩は
早急の解決を求めて
我々に迫る。

「いつか人類は解決策を見つけるだろう」
では
現実のこの身が持たない。

現実のこの身心に感じられている苦悩から
脱出する為には
何らかの有効な手立てを見出さなければならない。

しかもその手順は
各人の条件に応じて
各人の数だけ存在し
一定の普遍(一般)的で必然的な定義が
そのままあてはまるわけではなく
個別に対応すべき
しかし喫緊(きっきん)の課題である。

各人が
自己責任で
自助努力して
自分自身に合った解決方法を
見出してゆくべきである。

その時には
哲学だけでもまた
解決法が与えられないのは
明らかである。
(たとえ実証的な科学的解決法であっても
 それが単に科学であり学問でしかないのであれば
 具体的現実の解決を齎さない場合は多く存在する
 だろう。)

その時に
実践的で現実的で具体的な
方法が探し当てられなければ
苦悩から脱することは出来ない。

其の為に
この世に存在する
あらゆる手段
(知的財産や社会的システム)
を用いて
自分だけの解決の道を見出して
これを実行してゆくことが
人生道だ。

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最終更新
平成26(2014)年11月29日 午前6時43分
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