井上ひさし生誕77年記念公演として8作品を
4人の演出家により上演するという企画
第6作品目は畏友鵜山仁君の演出で「芭蕉通夜舟」
俳聖松尾芭蕉の生涯を一人芝居で
坂東三津五郎が演じます
例によって井上ひさし特有の薀蓄に溢れ説明的な台詞には
多少辟易しますが、芭蕉の人物像は充分に面白い
最終場面、大坂で客死した芭蕉の亡骸を
船に乗せて京都伏見へ運ぶ(これが通夜舟です)シーン
船頭役は三津五郎の二役
船客である門人達に「うどん船」からうどんを誂えましょうか
と尋ねるが、悲しみにくれる弟子達は無言
船頭は「伏見まで持ちますかね」と皮肉っぽくつぶやく
どきりとさせる幕切れでした
芥川の枯野抄を思い出しました
三津五郎の台詞術はなかなか見事
やはり歌舞伎役者としての素養がありますから
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