鉄工所で続けていた、スキャナーを使った図面のデータ保存がようやく終わった。2か月かかった。
最初の1か月は事務所にあるA3対応のスキャナーを使い、次の1か月はリースしたA0対応のスキャナーも使った。目的は、鉄工所に残っている古い図面をスキャンしてPDFにし、ナンバリングして保存することである。
一番古いものは50年ほど前の図面である。黄ばんで変色したものも多い。紙が丸まっているものは一枚ずつ伸ばし、破れたり弱くなったりしているところはメンディングテープで補強する。それからスキャナーに入れて、データを保存し、番号を付ける。言葉にすれば簡単だが、一枚ごとに状態が違うので、なかなか手間がかかる。
特に困ったのが、薄いトレッシングペーパーに書かれた図面である。スキャンしている途中でローラーに巻き込まれ、くしゃくしゃになって詰まる。そのたびに途中まで入り込んだ紙を引っ張り出す。そして、そのままではまた詰まるので、後ろに紙を貼って少し厚くしてから、もう一度スキャンする。
ところが、逆に分厚い紙もある。これはローラーを通らない。そんなときはA3コピーで分割して取り込み、それを貼り合わせて、もう一度やり直す。50年も前の図面になると、スキャナーに合わせて紙をどう扱うかという作業の方が大きくなってくる。
そして最後に一枚だけ残った。これが1メートル×80センチほどもある分厚い紙だった。A0対応のスキャナーにもまったく入らない。どうするか社長に聞いた。切ってコピーを貼り直しても10枚分はある。
「それは外注にします。3000円かかるかも」
別に3000円を自分が払うわけではない。だから、そのまま置いておいてもいい。しかし、ここまでやって最後の一枚だけ外注というのも、なんとなく癪である。そこで、床に図面を広げて、iPadで上から写真を撮った。撮った画像をパソコンに送り、PDFにした。やっていることはスキャナーと同じで、紙の図面をデータにして保存するだけである。
「まあ、これでもいいよ」
ということになった。
これで全部終わった。最初は週2回だったバイトも今は週4回になった。2か月かけて古い図面を相手に格闘したおかげで、小遣いもずいぶん増えた。終わってみれば、なかなかいいバイトだった。
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