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2025年11月25日19:53

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キーストン警官(コップ)

を読んだ。ピーター・ラヴゼイ著/中村保男訳
 雇ってもらおうとキーストン撮影所にやってきたイギリス人の青年ワーウィック・イーストンはその場に居合わせた女優のメイベルの口利きもあって雇ってもらえることになったが、所長のセネットは彼をキーストンと呼んだ。
後日遊園地での撮影を見学することになったキーストンだったが、ローラーコースターの撮影で事故が起こり、スタントマンが死亡してしまう。
その後キーストンもキーストンコップの役をもらえ、女優のアンバーとも仲良くなったが、ある日彼女の母親が自宅で死んでいるのが見つかり・・・。

 化夢宇留仁は黎明期のアメリカ映画のことに疎く、なんとなくサイレント映画の時代を舞台にしたミステリーとして読んでいたのだが、なんだか違和感を感じて調べてみたところ、キーストン撮影所は実在しており、チャップリンさえ一時期在籍していた短編喜劇映画の大御所だった(汗)
しかも登場人物もほとんどが実在しており、名前で検索するとたちまち経歴やら参加した作品名やら当時の雰囲気のあるスチールやらが出てきて面食らった。
途中まで架空の人物として読んでいたのが、いきなり写真付きで様々な情報がなだれ込んでくるというのは異世界への扉が開いたかのような体験で、非常に面白かった。
こんなことわざとやろうとしてもできるものではない(笑)
 しかしここで問題が1つ。
ミステリーでほとんどの登場人物が過去に実在している。
ミステリーなので犯罪による被害者と犯人とそれを解決する人物がいる。
解決する人物は主人公なので問題ない(主人公キーストンはバスター・キートンがモデルのようだが)。
しかし被害者と犯人はそうはいかない。
被害者は実際の事件を再現したものでなければ、当然実在の人物を殺すわけにはいかない。
なのでやはり架空の人物が被害者となった。
問題は犯人で、これまた実在の人物を犯人にするというのは、未解決事件にしない限りは歴史が変化してしまうことになるし、そうしなかった場合は犯罪者じゃない人に無理やり濡れ衣を着せることになる。
選択肢としては歴史を改変してしまい、悪くない人も悪い人に仕立て上げてしまうというのもできないことは無いと思うが、それには著者の大いなる度胸と根回しが必要だろう。
本作の真相がどうなっていたかはもちろんここでは書かないが、読んでいて気になるポイントなのは間違いないだろう。
 で、結局面白かったかどうかだが、ミステリーとしてはまあまあだった(笑)。
主人公はもちろん名探偵ではないし、犯罪の内容も動機が弱いなど、問題点が散見される。
むしろ犯人がほぼわかってからのアクション&サスペンスの方が力がはいっていたかもしれない。
むしろこの本は、活き活きと再現された当時の映画撮影の様子を体験するように楽しむのが本道だろう。
そういう意味では非常に興味深く楽しめた。
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