睡眠時無呼吸症候群の対策で使われるのがCPAPである。何度も書いているが、これは顔にマスクを装着し、ポンプで空気を送り込んで気道を確保する装置である。マスクには鼻と口、つまり顔の下半分を覆うものもあれば、自分が使っているような鼻だけを覆うものもある。
マスクは後頭部からバンドで固定する。そこに空気を送るチューブがつながっているので、寝るときには結構煩わしい。それでも睡眠時無呼吸症候群には効果があるので、もう6年ほど使っている。
朝日新聞に、CPAPを使わず、居眠り運転で交通事故を起こした34歳の男性が在宅起訴されたという記事が出ていた。
https://www.asahi.com/articles/ASV9321JHV93UTIL02WM.html
4月に起きた事故のニュースは知っていた。改めて記事を読み直してみると、この男性はすでに3回、居眠り運転による交通事故を起こしていたという。
それを読んでいて、自分のことを思い出した。
自分も若い頃から、とにかくよく寝た。会議では30分も持たずに眠くなった。合唱の練習でも、座って歌っているとよくウトウトした。そのたびに先輩から嫌味を言われた。
仕事でも、授業の空き時間になると自分の机でよく寝ていた。20代のころ、職員室の自分の机が教頭のすぐ前にあった。そこで寝ているのがあまりに気になったのか、あるとき教頭から「物置があるから、そこで寝ろ」と言われた。行ってみると、隅にカビ臭い畳が2畳ほど敷いてあった。そこで横になってみたが、さすがに眠れない。すぐにやめた。
車の運転中もよくウトウトした。大阪のなにわコラリアーズの練習に通っていた時は、練習が終わってから車で帰る途中、名神高速や北陸自動車道で眠くなり、何度もサービスエリアに入って休憩した。
当時は、それを仕事や合唱の疲れ、あるいは睡眠不足のせいだと思っていた。まさか病気が原因だとは考えなかった。
6年前、妻から「寝ているときに息が止まっているよ。一度診てもらったら」と言われた。そこで耳鼻科へ行った。太っているわけでもなく、鼻の中が変形しているわけでもないので、診察だけでは原因が分からない。入院して調べる方法もあるが、まずは自宅で2日間、検査装置をつけてデータを取ることになった。
その結果、無事に?睡眠時無呼吸症候群と診断された。
「無事に」というのも変な話である。病気が見つかったのだから、普通なら無事ではない。しかし、それまで長年の眠気を「疲れ」や「寝不足」のせいにしていた自分にとっては、原因が分かったこと自体が一つの救いだった。もっと若い時に分かっていれば、あんなに居眠りをしなくても済んだのに、と思う。
一度、居眠りで大勢の前で怒鳴られたことがある。
学童保育支援員の資格取得講習会だった。指定された座席が一番前で、講師のすぐ目の前だった。始まってしばらくすると眠くなり、ウトウトしてしまった。すると司会の女性が目の前までやって来て、大声で怒鳴った。
「なぜ寝てるんですか」
講師が話している最中である。60人ほどいる会場に、その声が響き渡った。居眠りで怒られたのは、初めてで、そして最後だった。2回目の研修を受ける前に学童保育を辞め、夜間宿直の仕事に転職したので、それきりになった。それでも、あのときのことは今でもトラウマとして残っている。
もっとも、あの時CPAPを使っていて、病気が原因だと説明できていたら、あんな言い方はされなかったかもしれない。とはいえ、当時は自分自身が病気だと知らなかったのだから、しょうがない。
今になって考えると、長年の「居眠り癖」の背後に睡眠時無呼吸症候群があった可能性は高いと思っている。
さて、今日は娘の引っ越しの手伝いで東京へ行く。長距離の運転になる。居眠り運転だけは、しないようにしよう。
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