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*******************ここから Real Sound 10/26(日) 8:30配信 池沢奈々見
◆『べらぼう』高岡早紀の魅力が凝縮された蔦重の母・つよ “謎の多い人生”に与えた深み
NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』で主人公の蔦屋重三郎(横浜流星)の母・つよを演じる高岡早紀の存在感が回を追うごとに増している。
幼い蔦重を置き去りにした過去を忘れたかのように飢饉の折にふらりと耕書堂に現れ、劇作家たちに紛れてにこやかにごはんを食べていたつよ。蔦重は「何しに来やがったんだ。ババァ!」と、(「え? 高岡早紀をババァ呼ばわり?」という視聴者の驚きをよそに)怒りつつも、そのまま居座るつよに悪態をつきながらも、そばにいることを嫌がる様子はない。
聡明で冷静沈着なてい(橋本愛)のことを尊重し、嫁と姑の関係は良好。それどころか、髪結いをしていたつよが耕書堂を訪れた客の髪を結ってもてなしていたり、商売に対して鋭いツッコミを入れることで助けられている場面も多く、蔦重の商売上手で人たらしなところは、むしろつよ譲りなのだと納得させられる。
とくに、歌麿(染谷将太)と蔦重の関係性において、つよが重要な役割を果たしていることに気づかされる。歌麿が心から愛する妻のきよ(藤間爽子)を亡くし、憔悴しきっている時に「お前は鬼の子なんだ。生き残って命を描くんだ」と蔦重に言われたことで深く傷ついた歌麿。蔦重は、きよのあとを追おうとする歌麿を止めるたびに殴られたが、それでも付き添い、つよに頼んで食事を届けてもらっていた。蔦重としてみれば、歌麿に生きる気力を取り戻してもらいたくて必死だったのだ。
つよは自由気ままに振る舞っているようでも、繊細で傷つきやすい歌麿の心情に気づき、母のような愛情でさりげなく接する。蔦重にとって歌麿は弟のような存在でもあり、自分が面倒を見るという気持ちが強いのも承知で、つよは蔦重を店に戻らせ、代わりを買って出た。つよの介抱の甲斐もあり、歌麿はつよと一緒に栃木に仕事に行くことを決めた。
つよは実の息子である蔦重に対しても、息子のような存在として接している歌麿に対しても、決して踏み込まれたくない距離にまで踏み込んできたりはしない。それだけではなく、そばにいて軽口をたたきながら、相手を気遣い、そっと手を差し伸べたりする。
粋に着物を着こなし、色気があって、何ものにも縛られない強さとしなやかさを併せ持ち、母性に溢れるつよのような複雑な魅力を持つ女性をこんなにもナチュラルに演じられる女性が高岡早紀以外にいるだろうか。蔦重と歌麿の関係がこじれているからこそ、つよの存在は温かみを増し、輝くようにも感じられる。
最近では、InstagramやYouTubeでのプライベートな空間を公開して話題になっていたり、若い頃から恋多き女性というイメージがあり、年齢を感じさせない華やかさも人気の所以。水泳部の美少女に一目ぼれした高校生カオルの恋愛騒動を描いた青春ドラマを描いた映画『バタアシ金魚』で高岡早紀は一目ぼれされて困惑する美少女・ソノコを演じている。
望月峯太郎の同名コミックを原作として、映画公開は1990年6月2日。カオル(筒井道隆)はソノコにどんなに冷たい態度を取られても全くめげない。それどころか、カナヅチのカオルはソノコに良いところを見せたくてスイミングスクールにまで通い始める。そこでカオルは、水泳を基礎から教えてくれる白川和子演じるコーチのことを「ババァ」と呼ぶ。ここでまさかの、ババァつながり……とはいえ、1990年の映画の高岡早紀は、セーラー服が似合う眩しいほどの初々しく、爽やかな存在感を放っていた。
このままアイドル一直線という戦略もあったかもしれないが、さまざまな作品を経て、本作のつよという女性をエネルギッシュに演じている。蔦重が7歳のときに夫と離婚し、幼少期の蔦重をどんな思いで置いて出たのか。耕書堂に現れるまではどこで何をしていたのか謎の多い人生ではあるが、蔦重にとって大切な存在であることに変わりはない。
そして、蔦重と同じように、いちばん甘えたかったときに母親に甘えることができなかった歌麿にとってもつよは母親のようであり、最愛の妻を失った茫然自失の状態から気力を取り戻せたのも、つよの支えが大きかった。
華麗な私生活や交友関係、美貌、理想的なプロポーションなど、演技以外のことが話題になりがちだが、高岡早紀の演技によって作品がさらに深みを増し、蔦重の新しい一面を引き出し、歌麿の揺らぎや弱さまでも浮き彫りにした。彼女の俳優としての凄さ、才能を見せつけるのにふさわしい役柄といえるだろう。
***************************************** ここまで
今夜の"つよ" は、そろそろ・・か? を感じさせるフラグを纏いつつ
今までで一番、出番も長く、セリフも多く 泣かせるシーンの連発だった。
まさに「いい味出してるねぇ〜」ってか?
私の中の高岡早紀の、居場所が変わった一夜 だった。
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