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2026年06月11日20:43

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ブンとフン

を読んだ。井上ひさし著
 売れない小説家のフン先生は、畑の真ん中のボロ屋で、いつもの冷や飯に冷たい味噌汁をぶっかけた飯を食べていた。
フンの小説の売れなさ加減は半端なく、今までで一番売れた本の売れた数は5冊だった。
そこにアサヒ書店の社長が、手土産と50万円の小切手を持ってやってくる。
なんとアサヒ書店から出版されたフンの小説「ブン」の初刷1万部が売り切れて増刷するというのだ。
「ブン」の主人公ブンは、あらゆるものを盗むことができ、光速の3/4の速度で走ることもでき、彼に不可能なことはない大泥棒だった。
ところが突然フンの前にブンが現れ・・・。

 初めて読んだのはおそらく小学生の頃だったと思う。
当時大変気に入っていたのは覚えていたので、このたび読み直してみた。
結果ああそうそうこんな話だったと懐かしく思い出しつつ、テンポがよくて楽しく読めた。
内容的にはまさにナンセンスという感じで、ブンはフンの書いた生原稿からぬけだしてきたのだが(なにしろ不可能なことはないのだ)、テムズ川の水を全部盗んだり月面に自動販売機を持ってきたりとやりたい放題。
その後増刷も含めて合計12万部刷られた本それぞれからもブンが現れて120001人のブンになったり、対抗するために警察が悪魔を雇い、その悪魔のアイデアで盗作で「ブン」の続編を書いて偽ブンを生み出したりともう滅茶苦茶。
そして華々しいドリフかジャズ大名かみたいなエンディングも、これまた文句はない。
 ちうわけで面白かったのだが、「ブン」の盗作を依頼された男は、そもそも盗作小説がばれて今は郵便配達をしているのだが、その男が昔やった盗作の手口が300冊の本を切り貼りして自分で創作したところは一切無しで名作を生み出したというもので、これって今のAIそのものやん(汗)
ということで著者の先見の明(?)にびっくりした。
 それとこれは化夢宇留仁の方の変化の結果なのだが、作中で繰り広げられる滅茶苦茶な事件やらなんやらはほんとに滅茶苦茶なのだが、今読むとそれよりも冒頭のフン先生の今までの最高のヒット作が売れた数が5冊でなんで小説家をやっていけるのかと、更にそんな小説家の本を1万部も刷ってしまうアサヒ書店の方がナンセンスを感じてしまうのが感慨深かった(笑)
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