4時に目が覚め、居間へ降りると、階段がうっすらと明るい。
日の出は7時過ぎだから、この明るさは雪あかりだ。もちろん本を読むほどではないが、薄ぼんやりと明るいのは、なんとなくほっとする。
すると、「蛍の光」のメロディが浮かんできた。続いて、「仰げば尊し」の旋律が頭の中で流れる。そうだった、この二つは対だった。
教員になったばかりの頃の卒業式の会議を思い出す。卒業式は3月だが提案は1月の職員会議である。そこで「仰げば尊しはやめましょう」という意見が出て「蛍の光」と校歌だけになった。
「いい曲なんだけどな」と思ったが、自分は何も言わなかった。
日本語の歌詞にある「我が師の恩」という言い回しが小っ恥ずかしい、というのが本音だったのだろう。だが、あのメロディと歌詞の微妙な噛み合い具合が、自分は好きだ。できれば一度、原語で歌ってみたい気もする。
小中学校と違い、高校の卒業式は固苦しいセレモニーだから、他の歌が入り込む余地はない。
雪あかりで薄ぼんやりとした居間のソファに座り、1日の始まりを考えた。
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