ちょっと遅れて年賀状が届いた。 高校時代の悪友である。年末から正月にかけて、どこか旅行にでも行っていたのだろう。 自分が五年前に年賀状仕舞いをしたので、今は送ってもらう一方だ。
手書きで「電話くれ」とある。 そういえば自分がロマンス詐欺に引っかかったことがあった。実害はなかったが、その時にメールアドレスも電話番号も全部変えたからつながりが切れているのだ。
しかし電話は面倒くさい。 今は連絡するならSNSだけにしていて、直接声をやり取りすることはほとんどない。一応、固定電話もスマホもつながるようにはしてあるが、着信音が鳴ると今でも少し身構えてしまう。中には、用件があるとすぐ電話をかけてくる友人もいるが、「その話、ラインで十分やろ」と心の中で愚痴っている。
年賀状を眺めながら思う。 高校を卒業して東京へ出て、もう50年以上が過ぎた。さすがに彼も今さら金沢に帰ることもないだろう。たまに声を聞いてみようかな、と思うことはある。 けれど、そのたびに「まあ、いいか」という気持ちも同時に湧いてくる。
今日も年賀状は、机の端に置いたままである。
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