を読んだ。セシル・スコット・フォレスター著/高橋泰邦訳
ホーンブロワーが指揮するフリゲート艦リディア号が最後に港を発ってから、すでに7ヶ月が経過していた。
すっかり一流の艦長となったホーンブロワーの頭の中では、先のバウンティー号のこともあって反乱に気を使いつつ、全く陸が見えない状態を長く続けつつ正確な航路をたどっている(はず)確認、付きかけている食料、水、タバコ、酒の配給、乗組員が余計なことを考えないように砲撃訓練を行うこと、訓練の結果消費される約10トンの火薬と砲弾による喫水の釣り合い・・・などの思考が目まぐるしく行われている。
今回受けている任務に関しても考えるべきことは多い。
なにしろその内容はスペイン領アメリカにおいて、叛乱を成功させた上、パナマ運河の開通に向けた道標をつけるというもので、しかもその海にはスペイン軍の大砲50門を搭載する舟がいるというのだ(フリゲート艦リディア号は36門)。
やがて一切迷うこと無く目的地にたどり着いたリディア号だが、現地の叛乱軍の首謀者は自分を神と信じいている男で・・・。
とうとう太平洋までやってきたホーンブロワー。
相変わらず超真面目&超有能なのだが、今回はそれがために非常にやっかいな状況に追い込まれることを繰り返し、それがまた非常に盛り上がる展開ばかりで、やっぱり超〜〜〜〜〜〜〜〜面白かった。
本作のメインはもちろん2倍近い攻撃力を誇る敵艦ナティビダット号との対決だが、これが2段階用意されており、最初は夜間の湾内の奇襲によって鮮やかすぎる勝利を収めるのだが、その後様々な運命のいたずらによって、今度は嵐の中の大洋で真正面からの一騎打ちを演じることに。
これがもうかっこよすぎで超盛り上がる。
いつものように複雑な風と帆の関連による操船の描写もかっこいいのだが、なにしろ今回は正面からの撃ち合いなので、大砲がバンバン飛びまくる。
当時の大砲の弾は基本的に単なる鉄球なのだが(散弾はあって、本作でもおそるべき破壊力を発揮する)、装甲など無い木造船どうしなので当たればバンバン貫通してえらいことになる。そしてそれがまたバンバン命中する(汗)
結果双方ズタボロになるのだが・・・と、そのあとの展開がまた盛り上がりまくるのだが、これ以上はやめておく(笑)
とにかく滅茶苦茶盛り上がって滅茶苦茶面白い(笑)
また本作ではなんとホーンブロワーのロマンスも描かれており、これがまたいい感じに描かれていて楽しめるのが著者の器の大きさを感じさせる。
ところで前作はとんでもない悲劇的な状況で終わっているのだが、本作ではそのことに全く触れられず、最後の方にさらっとその結果が明示されるだけなのに驚いたのだが、実は本作が発表順ではシリーズ第1巻だったのだった。
つまりこれまでは本作の前日譚を読んでいたのだ。海外翻訳物はこういう状況に陥りがちである(笑)
あらためて本作が第1作だと思って振り返ってみると、シリーズ化されるのもさもありなんとしか思えなかった。
まさに剛速球ど真ん中で最高に面白い冒険小説である。
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