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2025年10月23日23:55

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サンゴ海の戦い 史上最初の空母戦

を読んだ。エドウィン・ホイト著/志摩隆訳
 1942年。連戦連勝を続ける大日本帝國軍は、ポートモレスビー攻略作戦の準備を進めており、サンゴ海には空母「翔鶴」「瑞鶴」をはじめとした機動部隊が集結しつつあった。
もちろんそれを連合軍が放おっておくわけもなく、同じく空母「ヨークタウン」「レキシントン」を主体とした部隊が日本軍の動きを警戒しており、ここに史上初の空母対空母の対決が始まろうとしていた・・・。

 史料を調べ上げた上で構築されたいわゆる戦記物で、一般的な小説とは一線を画す内容。
とてもよかったのは著者がクレバーな視点に努めているところで、日米どちらも正義とか悪とかいう感じは一切無く、それぞれが与えられたものを活かして全力を尽くしているのが伝わってくる。
ただしそのせいもあって壮絶に読みにくい(汗)
なにしろ空母戦というのは空母、艦載機という最小単位に絞ってもそれぞれの視点は幅広く、更に1隻の空母の中でも提督、館長、士官、下士官と、それぞれの限られた視点から見る風景は全く異なる。
そもそも空母戦というのは敵の姿を見ないままで戦う言い換えれば史上初の無視界戦闘ということでもあり、当時の限られた情報収集能力のせいもあってまさに霧の中でもがいているような特殊な戦場なのだ。
というわけで当時の記録にあった様々な視点による状況や無線でのやり取りなどが入り混じり、同じ戦闘でも日米はもちろん船長から見た状況、水兵から見た状況、パイロットから見た状況など、全く異なるものが時には時間を遡って書かれたりする上、クレバーに努めたせいか「しかし」のあとの文章がその前の文章を否定していないように思えたりと、なかなかの混乱ぶり。しかしそこがまた当時の戦場の雰囲気を伝えているようでもある。
 サンゴ海の戦いは史上初の空母戦というだけではなく、歴史的にも非常に重要な戦いで、米軍が連戦連勝の日本軍と戦って初めて痛み分けまで持ち込んだ戦いでもあり、その後のミッドウェー海戦での決定的な勝敗はこの戦いがあったからこそ実現したものとも考えられるのだ。
 細かい描写という点でも流石に大量の史料を調べた上で書いているだけあって、急降下爆撃の命中率の高さや、米空母の頑丈さ、米軍の魚雷の不良率の高さ(笑)など、非常に見どころが多い。
 また本作では空母と艦載機以外の機動部隊の様々な要素もしっかりと取り上げており、特に米軍の給油艦ネオショーの顛末などはそれだけで1本の小説が書けそうである。
そして空母レキシントンの不幸な(日本軍からしたら大ラッキーな)結末は、まるで前に読んだ「十四分の海難」のようでもあり、非常に興味深かった。
 というわけで非常に読みにくいが内容があまりにも興味深く、またイケイケだった頃の日本の凄さも垣間見えたりして、面白い本だった。
ちなみにまあまあ渋い戦記物の表紙としてはあまりにもかっこよすぎるので確認してみたところ、案の定生�鯊臉萓犬良�だった(笑)
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